1993 Fiscal Year Annual Research Report
リンパ球増殖試験を改良した金属アレルギーのin vitro検査法の開発
Project/Area Number |
05771704
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
浪越 建男 長崎大学, 歯学部, 助手 (70237593)
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Keywords | リンパ球増殖試験 / 金属アレルギー / 担体蛋白 / 水銀 / マウス |
Research Abstract |
本邦において感作率が高く、細胞毒性及びmitogenicな性質をもつ水銀にリンパ球増殖試験(LPT)を応用するためには、表皮蛋白を担体としてもちいることが有効であると考え、以下の実験を行った。 まず実験1として、経皮吸収されたHg^<2+>と結合しやすい担体が含まれている表皮細胞画分と画分別にみたHg^<2+>濃度の経時的変化を解析した。近交系マウス(Balb/c)20匹を4匹ずつ5群に分け、尾部全体に5%HgCl_2(ワセリン基剤)を塗布し、6、12、18、24、30時間後に切断、表皮を剥離し、ホモジナイズ後、細胞分画を行った。各画分を還元気化法により前処置し、原子吸光光度計によりHg^<2+>含有量を測定した。同様の操作を計4回繰り返し、得られたデータを分散分析法により検討し、表皮細胞中のHg^<2+>は12時間後に有意に増加することが確認された。このことは塗布法による感作マウス作製時に感作成立の障害となるグル-ミングによる経口摂取をさけるためには12時間経過後、表皮上の残留Hg^<2+>を除去すればよい可能性を示唆している。また、各画分のHg^<2+>は経時的に同様な傾向を示したが、Hg^<2+>は可溶性画分(Sup-3)がもっとも大きく、ついで、核・細胞残渣画分(Ppt-1)、ミトコンドリア画分(Ppt-2)、ミクロソーム画分(Ppt-3)の順であった。このHg^<2+>の結合量が蛋白量に起因するものか、あるいはHg^<2+>に結合しやすい蛋白が存在するのかを確認するために、実験2として、各画分の蛋白量を測定した。その結果、蛋白量はSup-3が最も大きくついでPpt-1、Ppt-3、Ppt-2の順であった。 これらの結果より、一定量の蛋白に結合するHg^<2+>量はPpt-1、Ppt-3、Ppt-2、Ppt-3の順に大きかった。今後、Hg^<2+>を結合したこれらの画分を接種することにより、各画分の感作能など、さらに詳細な検討が必要であると思われた。
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Research Products
(2 results)