1993 Fiscal Year Annual Research Report
軟性裏装材-アクリルレジン界面の有限要素法と接着試験法による解析
Project/Area Number |
05771709
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
高松 容子 鹿児島大学, 歯学部・附属病院, 助手 (70226918)
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Keywords | 軟性裏装材 / 総義歯 / 有限要素法 / 裏装形態 / 接触問題 |
Research Abstract |
(目的)総義歯に軟性裏装材を応用した場合、軟性裏装材の厚みやレジンとの移行形態、義歯辺縁での形態などの適切な形状を、有限要素法と接着試験を用いて考察することである。 (本年度のまとめ)有限要素解析を行うために、ハードにNEC社製パソコン:PC-9801BX/U2、有限要素解析プログラムとしてMSC社製構造解析プログラム:MSC/PAL2(V4.0)とモデル作成用プリプロセッサー:MSC/MOD(V2.0)、計算後の処理プログラムなどを購入した。そして、これらの設備を用いて、軟性裏装材を用いた総義歯を想定した有限要素モデルを作成し、解析を行った。 従来の有限要素モデルでは、要素と要素の連結を通法のとおり行うと、顎堤粘膜と義歯床下面が少しも離れずまったく同じように変位することになる。実際には、顎堤粘膜と義歯床下面とは垂直方向には同様に変位するが水平方向には異なる変位が許される挙動を行うと考えられるので、今回の解析ではこのような挙動を考慮して、顎堤粘膜と義歯床下面との連結は1軸性の剛性要素を用い、顎堤粘膜と義歯床下面は接触している状態としモデル化を行い、解析を行った。 解析の結果、軟性裏装材を用いることにより、ミ-ゼスの相当応力は軟性裏装材-アクリルレジン界面より上部が大きく、顎堤粘膜部での相当応力の低下、顎堤粘膜部での増加がみられた。また、主応力は軟性裏装材-アクリルレジン界面で荷重下を中心とした緩やかなサインカーブ状の値が得られた。これらのことから、軟性装裏材は顎堤粘膜に接する義歯床下だけでなく、義歯床辺縁を越えて義歯床頬側面まで延長することが望ましいと考えられた。
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