1993 Fiscal Year Annual Research Report
低出力レーザー照射による顔面神経血流の変化について
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05771837
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
加藤 麦夫 愛知学院大学, 歯学部・口腔外科1, 講師 (30214406)
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Keywords | 低出力レーザー照射 / 顔面神経 / 血流 / 中硬膜動脈 |
Research Abstract |
顔面神経麻痺の原因の一つとして顔面神経の栄養動脈の傷害が挙げられる。今回はラットを用いて顔面神経の栄養動脈である中硬膜動脈の血行動態とその血流を変化させる可能性のある低出力レーザー(Nd:YAG、半導体)を星状神経節、耳下腺内顔面神経分岐部、乳様突起部に照射し、レーザー微小循環血流測定装置を用いて血流の変化を測定しようと試みた。 結果:安定した測定結果は得られていない。データにばらつきが多く信頼性に欠ける。 原因: 1 当初は体重250gのラットを用いていたが、身体が小さく、測定には不向きであった。そこでさらに飼育期間を延長し体重400gに達してから実験に供した。 2 鼓室を開放し、中硬膜動脈を同定することは容易であったが、最近まで電気メスあるいはコアグレーターがなかったため手術中に出血があり、測定中に血液が流入してきた。 3 ラットの中硬膜動脈の直径は0.2mmぐらいでなので測定プローブを安定した状態で長時間固定させることが難しかった。 4 ラットの呼吸による変動がアーチファクトとなってしまった。人工呼吸下においても程度は減少するがやはり変動がみられた。 5 周囲の人が歩く振動によってもアーチファクトがみられた。 6 Nd:YAGレーザーの場合には冷却ファンの振動によってもアーチファクトがみられた。 今後の対策: 1 現在は電気メスを使用しているので血液の流入は無くなった。 2 プローブの固定機具を二重にする。 3 測定は早朝もしくは深夜に行う。 4 呼吸調節にカルバミン酸エチルを用いてより深く呼吸回数を減らす。 5 Nd:YAGレーザーの場合には本体の下にマットを敷く。
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