1993 Fiscal Year Annual Research Report
上顎骨急速拡大後の骨修復に及ぼす細胞成長因子(bFGF,TGF-beta)の影響
Project/Area Number |
05771874
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
川上 正良 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (20244717)
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Keywords | 急速拡大法 / 骨形成 / bFGF / TGF-beta / 骨形態計測 |
Research Abstract |
基礎実験として、S.D.系ラット5匹を用い上顎骨側方拡大法の確立を行った。ラットの口腔内に合わせたトレーを作製し、シリコン印象材(EXAFLEX、GC)で上顎歯列を印象し、超高石膏で作業模型を作製した。模型上で拡大装置を作製し、ラットの口腔内に装着した。本研究では、この拡大装置に工夫を重ね、脱落率の少ない確実な方法を検討した。その結果、上顎前歯を固定源としたループ付ワイヤーによる装置を考慮し、実験の再現性が得られやすいことを確認した。 次に、S.D.系ラット12匹を6匹ずつ2群に分け、ウレタン・ネンブタールおよびエーテル麻酔下に一方には側方拡大を行い、もう一方には装置の装着のみを施した。側方拡大を4週間行った後、常温重合レジンで固定し、bFGF(Sigma)を正中口蓋縫合部に3日おきに21日間局所投与した。bFGF投与前日にはカルセインを、屠殺前日にはテトラサイクリンを腹腔内投与しておき、骨のラベリングを行った。現在、上顎骨を切り出し、脱灰標本と非脱灰標本を作製中である。なお、非脱灰標本の作製にあたっては、新たに骨形態計測法に有用なvillanueva Bone Stain(マルト-)を適用し、新生骨の形成度が明確となるようにした。非脱灰標本の作製終了後、骨形態計測システム(システムサプライ)を用い、蛍光顕微鏡下で各種骨形態計測パラメーターを算出する予定である。また、脱灰標本については、通法のヘマトキシリン・エオジン染色に加え、骨芽細胞の指標となる酸性フォスファターゼ染色を低温重合樹脂(Technovit 7100、盟和商事)を用いて検討している。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 川上正良: "歯の移動と活性型ビタミンD_3" 矯正臨床ジャーナル. 101. 20-24 (1994)
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[Publications] 川上正良: "矯正治療前後における歯垢付着状態と齲蝕活動性の変化" 日本矯正歯科学会雑誌. 52. 301-305 (1993)
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[Publications] Takano-Yamamoto,T: "Defects of tye Rat Premaxilla as a Model of Alveolar Clefts for Testing Bone-Inductive Agents" J. Oral Maxillofac. Surg.51. 887-891 (1993)
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[Publications] Sugimura, M.: "Unoperated Adult Cleft Lip and Palate,A Case Report" Asian J. Oral Maxillofac. Surg.5. 21-25 (1993)
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[Publications] Duan,Y.: "Changes in Bone Formation During Experimental Tooth Movement after Denervation of the Rabit Inferior Alveolar Nerve" J. Osaka Univ. Dent Sch.33. 45-50 (1993)