1993 Fiscal Year Annual Research Report
有機質フィラーを含む光重合型ダイレクトボンディング剤の開発
Project/Area Number |
05771913
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
河合 悟 福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (70214583)
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Keywords | ダイレクトボンディング材 / ディボンディング / 有機質フィラー |
Research Abstract |
有機質フィラーを含む光重合型ダイレクトボンディング材を調製するため、ベースモノマーとしてBisphenol-A-glycidyl methacrylate(BisGMA)とTriethylene glycol dimethacrylate(TriGMA)を各種割合で混合し粘性を検討した。その結果Bisphenol-A-glycidyl methacrylate(BisGMA)とTriethylene glycol dimethacrylate(TriGMA)を1:1で混合したものをベースモノマーとする事にした。これに触媒として0.5wt%のCamphorguinoneと1wt%のPhenylglycineを添加して、さらに粘度と機械的性質の調整のために平均粒径50mumのPMMAをフィラーとして各種割合で配合しダイレクトボンディング材を試作した。フィラー添加量は、40,50,60,70vo1%とした。 以上のように調整した試作ボンディング剤を用いて40%リン酸処理エナメル質への各種接着力試験、およびセラミック製ブラケット、金属製ブラケットの酸処理エナメル質への各種接着力試験を行った。その結果40,50,60,vo1%のフィラーを含む試作ボンディング材はいずれの接着力試験でも臨床上必要とされている7〜8MPa以上の接着力を示していた。 次にディボンディングの容易さを検討するため各試作ボンディング材と市販ボンディング材のヌープ硬さを測定した。ヌープ硬さは、試作ボンディング材が市販ボンディング材に比較して有意に小さな値を示しており、ディボンディング時に歯質への損傷を与える事が少なくディボンディングも容易な事が示唆された。 今後は、ディボンディングの容易さを定量的に測定するために自動スケーリング操作装置を用いてディボンディングの容易さの検討や試作ボンディング材の機械的性質の検討をさらに進め、より臨床で使いやすいダイレクトボンディング材を開発する予定である。
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