1993 Fiscal Year Annual Research Report
ビタミンD誘導体によるPharmacological Anchorageの可能性
Project/Area Number |
05771914
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
柳父 益能 福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (50230280)
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Keywords | Pharmacological Anchorage / 24R,25(OH)_2D_3 / 酸フォスファターゼ染色 |
Research Abstract |
破骨細胞の活性または分化を抑制するといわれているビタミンD誘導体の24R,25(OH)_2D_3(呉羽化学)とカルシトニン、ビスフォスホネートを使用し歯の移動を調整し、また抑制させることにより固定源として利用できるかどうかとともに歯の移動時の周囲骨組織のリモデリングに対してどの様な作用があるかを比較検討した。 実験動物:SD雄性ラット8週齢24匹 実験方法:桐野らの方法に準じて約50gに調整されたセンタロイのクローズドコイルスプリングにより上顎第一大臼歯を近心移動させる。移動期間を7日間とした。 薬剤投与法:24R,25(OH)_2D_3を500mug/kg(呉羽化学)とカルシトニン(CT)5mg/kg、ビスフォスフォネート(HEBP)(住友製薬)1.6mg/kgの局所投与を行った。潅流固定後脱灰し、凍結切片を作製しTRAP染色を行い観察した。 結果:歯の移動単独群に較べ各薬剤の投与によってTRAP陽性細胞の出現に対して明瞭な抑制や促進は認められなかったがその出現様相に変化が認められた。24R,25(OH)_2D_3投与群では圧迫側においてTRAP陽性細胞が少なかった。HEBP投与群は圧迫側において穿下性吸収が多く認められ吸収部の周囲にTRAP陽性細胞が一層認められる。CT投与群は圧迫側にTRAP陽性細胞の集合が認められるが牽引側ではTRAP陽性細胞が少なかった。 各種薬剤の局所投与によりTRAP陽性細胞の出現様相に変化を及ぼす傾向がみられ、歯の移動に伴う骨吸収や添加に変化生じ、Pharmacological Anchor-ageの可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)