1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05771945
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
吉川 和子 徳島文理大学, 薬学部, 助手 (40166921)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
在原 重信 徳島文理大学, 薬学部, 教授 (50006342)
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Keywords | 朝鮮あざみ / アンテチョーク / 味覚修飾物質 / サイナリン / クロロゲン酸 |
Research Abstract |
新鮮朝鮮あざみ花部からキナ酸のカフェ酸エステル誘導体としてサイナリン、クロロゲン酸、1、3-ジカフェロイルキナ酸並びに2種のフラボン配糖体、ルテオリン-7-O-グルクロン酸とアピゲトリン並びに1種のリグナン配糖体並びにセスキテルペン配糖体のロセオサイドの計7種の既知化合物を単離した.これまでに我々がギムネマ葉、ナツメ葉並びにケンポナシ葉から単離した天然由来の味覚修飾物質であるトリテルペン配糖体並びにそれらのアシル化サポニンは単離されなかった.しかし、朝鮮あざみ花部からフラボン配糖体のアピゲトリン、リグナン配糖体、セスキテルペン配糖体のロセオサイドが単離されたのは初めての報告である. これらの化合物は水に対する官能テスト法においていずれも無味の水を甘く感じさせる味覚修飾作用は示さなかった.したがって、この実験結果から、L.M. Bartoshuk[Science,178,988(1972)]らにより報告された朝鮮あざみが無味の水を甘く感じさせる味覚修飾作用を持ち、その本体がサイナリン、クロロゲン酸であるいう説は我々も有吉らと同様にこの説を否定する結論を得た.さらに、Bartoshukらに追随して朝鮮あざみの味覚修飾物質についての研究報告がその後皆無であるということからも、朝鮮あざみが無味の水を甘く感じさせる味覚修飾作用を持つという現象は一般的では無く、固有の民族が有する様な遺伝的要因と考えられる.
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