1993 Fiscal Year Annual Research Report
血管壁細胞の培養系を用いた細胞内脂質蓄積機構の解析
Project/Area Number |
05771987
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
峰尾 千恵子 帝京大学, 薬学部, 助手 (00190710)
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Keywords | 脂質球 / 線維芽細胞 / エステラーゼ / リソゾーム |
Research Abstract |
細胞内でのcholesteryl esterの分解に関与するlysosomeの酸性、cholesteryl esterraseの欠損した患者由来の培養線維芽細胞に、試験管内で調整したcholesteryl oleate由来の脂質球を取り込ませ、電子顕微鏡を用いた形態学的解析、及び生化学的解析を行った。 (1)形態学的観察により、酵素の欠損のためにlysosomeでの脂質球の分解が阻害されているにも拘わらず、細胞質に限界膜に囲まれていない脂質球が蓄積することが見いだされた。このことは、lysosomeでの分解→microsomeでの再ester化→細胞質の脂質球の蓄積という通常の経路を経ずに、細胞質に脂質球が蓄積する機構が存在することを示している。 (2)酸性cholesteryl esteraseの活性は欠損しているが逆に中性cholesteryl esterase活性の亢進している細胞では^3Hで標識した脂質球の分解がむしろ亢進していた。この結果は脂質球の分解にlysosomeでの分解系の他に細胞質での分解系が関与している可能性を示している。
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