1993 Fiscal Year Annual Research Report
^<13>Cラベル化ポルフィリンの合成と構造解析への応用
Project/Area Number |
05772022
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
武田 淳 帝京大学, 薬学部, 助手 (40197306)
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Keywords | ポルフィリン / ^<13>C / 安定同位体ラベル / ^<13>CNMRスペクトル / ^<13>Cケミカルシフト / ^<13>C-^<13>Cカップリングコンスタント |
Research Abstract |
1)テトラフェニルポルフィリン、ドデカフェニルポルフィリン及びその反磁性金属錯体を合成し、^<13>CNMRスペクトルのすべてのピークをC-HCOSYの測定によって帰属した。 2)1の結果から^<13>Cケミカルシフトはポルフィリンの違い、あるいは中心金属のちがいにより鋭敏に変化することが判明した。特にテトラフェニルポルフィリンとドデカフェニルポルフィリンではポルフィリン骨格が平面から歪んだ構造に変化しており、^<13>Cケミカルシフトはこの歪みにより変化したものと考えられる。 3)次に^<13>C-^<13>Cスピンスピンカップリング(Jcc)を測定するために^<13>Cでラベルしたテトラフェニルポルフィリンとドデカフェニルポルフィリンを合成した。市販の^<13>Cでラベルされた安息香酸(Ph^<13>COOH、^<13>C99%以上)をLiAIH_4で還元しPh^<13>CH_2OHとしたのち、PCCで酸化し^<13>Cラベルしたベンズアルデヒド(Ph^<13>CHO)を70%の収率で得た。このアルデヒドとピロールを反応させることにより、4個のメソ位が^<13>Cでラベルされたテトラフェニルポルフィリンを合成した。同様にPh^<13>CHOとジフェニルピロームを反応させ4個のメソ位が^<13>Cでラベルされたドデカフェニルポルフィリンを合成した。 4)^<13>Cでラベルしたポルフィリンの^<13>CNMRスペクトルを測定することにより、何箇所かのJccを得ることができた。このうちピロールalpha炭素とメソ炭素との間の^1Jcc、フェニルの付け根の炭素とメソ炭素との間の^1Jccはポルフィリンのちがいにより変化した。 5)4の結果からJccもポルフィリンの違いにより鋭敏に変化することが判明した。これはポルフィリン環の歪みにより、結合距離、結合次数あるいは結合のsp_2性が微妙に変化したことに対応していると考えられる。現在、中心金属の違い、ポルフィリンの違いによりどのうよに変化するかを、系統的に調べている。
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