1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05772058
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
宮地 勇人 東海大学, 医学部・臨床病理学, 講師 (20174196)
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Keywords | 白血病 / 薬剤耐性 / PCR |
Research Abstract |
成人急性白血病の治療で、有効な抗白血病薬の選択とより合理的な治療プロトコールの作成には、個々の症例に薬剤耐性の状態を知ることが重要である。最近我々は、特定薬剤の耐性に特異的な遺伝子発現量が耐性の指標となりうるかを我々が樹立した耐性細胞株を用いてin vitroで検討し、さらにpolymerase chain reaction(PCR)法で遺伝子発現量を測定する薬剤耐性の簡便な診断法を開発した。本研究では、本検査法をより実用的なものとするため、他の多くの薬剤耐性に特異的な遺伝子の変化を併せてPCR法で測定する耐性の診断法の確立を目的とした。 PCR法で測定する薬剤耐性に寄与する遺伝子の変化としては、vinka alkaloidやanthracyclinを細胞外へ排出するP糖蛋白をコードするMDR1遺伝子発現とtrimetrexate耐性白血病細胞で葉酸桔抗薬に対する親和性低下をもたらすdihydrofolate reductase(DHFR)遺伝子のコドン31の点変異(TTC→TCC)を調べた。急性白血病未治療20例で14例にMDR1遺伝子発現が証明され、従来の抗白血病薬に反応しにくい未分化な細胞表面形質をもつ白血病で発現量が高く、anthracyclinに感受性の高い前骨髄性白血病で低い傾向が認められた。すなわち、急性白血病のanthracyclinやvinka alkaloidに対する自然耐性機構としてMDR1遺伝子の関与が示唆された。一方、DHFR遺伝子の点変異は認められず、葉酸桔抗薬に対する自然耐性の分子機構として希と考えられた。 本法をより実用的なものとするためには、一層の耐性機構の解明と臨床検体でのその意義づけが必要と考えられた。
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Research Products
(1 results)