1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05780035
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Research Institution | Nakamura Gakuen University Junior College |
Principal Investigator |
松隈 美紀 中村学園短期大学, 食物栄養科, 助手 (40259669)
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Keywords | 食物アレルギー / 乳飲ラット / 小腸(空腸) / 吸収上皮細胞 / 食物性抗原 / 形態学 / 免疫細胞化学 |
Research Abstract |
(目的)食物アレルギー発症機序について本研究では、ラット小腸吸収上皮細胞における高分子物質及び食物性抗原の粘膜凝固有層への侵入経路を解明する目的で実験を行った。 (材料・方法)乳飲ラット(生後14日目)を用い、空腸及び回腸内腔へ種々のトレーサー(HRP,コロイダルゴールド,カチオナイズドゴールド)を投与後、空腸及び回腸を採取し、電子顕微鏡を用いて侵入経路の検索を行った。さらに、乳飲ラットを用いて空腸及び回腸内腔へ食物性抗原(オボアルブミン,オボムコイド)を投与し、免疫細胞化学的に食物性抗原の侵入経路の探索を行った。 (結果)HRP,コロイダルゴールド,カチオナイズドゴールド,オボアルブミン,オボムコイド,及びビオチンをラベルしたオボアルブミン投与群において、時間の経過とともに空腸及び回腸吸収上皮細胞内にトレーサーが観察された。さらに空腸においては、細胞間隔、粘膜固有層にトレーサーが認められた。 (考察)乳飲期ラットでは、母乳の抗体(IgG)が空腸吸収上皮細胞より取り込まれLysosome系に関与せず、細胞壁側から細胞間隔へ放出されるといわれている。本実験結果より乳飲ラット上部空腸吸収上皮細胞において、非特異的高分子物質が細胞頂部の微絨毛細胞膜の被覆陥入部から吸収され、トランスサイトーシスによって基底-側部の細胞膜より細胞間隙へ放出され、粘膜固有層へ輸送されることが明らかとなった。さらに食物性抗原においても乳飲ラット空腸吸収上皮細胞内をトランスサイトーシスによって通過し、粘膜固有層へ侵入すると認められた。以上の事より乳飲期の空腸において、母乳の抗体が吸収上皮細胞内に取り込まれる機構と関連して、食物性抗原が細胞内に侵入し、細胞間隙へ放出されることが確認された。このことは、食物アレルギーの発生要因の一つであることを示唆している。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] M.FUJITA: "TRANSEPITHELIAL TRANSPORT OF NONSPECIFIC MACROMOLECULES BY ABSORPTIVE CELLS OF SUCKLING RAT JEJUNUM" J.Clin Electron Microscopy. 125(5-6). 470-471 (1992)
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[Publications] 藤田 守: "乳飲期ラット空腸吸収上皮細胞における非特異的高分子物質の通過経路に関する電子顕微鏡的研究" 日本臨床電子顕微鏡学会予稿集. 24. 191 (1992)
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[Publications] 藤田 守: "乳飲ラット小腸における食物性抗原の侵入経路について" 日本解剖学会誌. 48. 19 (1992)
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[Publications] 江上 一子: "福岡県における昭和大嘗祭について 1" 中村学園研究起要. 25. 111-119 (1993)
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[Publications] 江上 一子: "アルコールを含む飲料および調味料についての研究 第I報" 中村学園研究起要. 25. 121-134 (1993)