1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05780105
|
Research Institution | Yonezawa women's junior college |
Principal Investigator |
矢崎 弥 山形県立米沢女子短期大学, 講師 (70211612)
|
Keywords | 高齢者スポーツ / 生活構造 / 家庭内役割 / 地域社会役割 |
Research Abstract |
これまでの高齢者スポーツの調査・研究が、スポーツ参与とそれまでのスポーツ経験やいくつかの社会的属性との関係であり、地域社会からスポーツ活動を切りとった研究がほとんどであったとの反省に立ち、「地域の高齢者スポーツ活動の現状把握」と「参与と生活構造との連関」を視点として、地域社会との関係のなかで高齢者スポーツを考えるのがこの研究の目的であった。調査対象地を茨城県牛久市奥野(農村地:以下O),牛久(旧商業地:以下U)緑野(新興住宅地:以下M)とし、アンケート調査.インタビュー調査を実施した。 結論としては、牛久市の高齢者のスポーツ活動はより活発化・多様化している。特に年々.後期高齢者の参加率が上昇している.又、多様化に関しては.クロッケ-やゲートボールだけでなく.多くの種目が行なわれるようになっている。そしてこの傾向は.O<U<Mの順で強くあらわれている。 O地区は.老人会にほぼ全員が加入し、老人会組織が生活拡充・余暇拡充集団としての機能をもっており.他組織の存在・加入を不必要としている。M地区は.新開発地区であることから.多くの余暇拡充・生活拡充集団が形成されており.老人会への加入率が悪い反面、上記の集団への加入率が良い。高齢者のスポーツの多様化の地区的差は.地区の生活構造をそのまま反映したものとなっている.又、個人の役割からしても..O地区の高齢者の多くは.まだ農業に従事しており、あと継ぎ不在のなかで.農村の多くの地域社会役割や重要な家庭内役割をもっており.老人会加入だけで十分との認識が多い。その点.M地区では.ほとんどが.退職者で.役割縮少過程にあり,それをうめるために.多くの集団へ加入しようとする傾向にあり、この点においても.地域というものが.スポーツ活動の傾向に強く影響していることが理解される.この他.地域の生活構造の視点から.独居高齢者のスポーツ活動についても検討を行った。また.当初.調査地として選択した米沢市は.現在.調査進行中であり、終了しだい 牛久との比較を行う予定である.
|