1993 Fiscal Year Annual Research Report
対話型教材知識構築技術に基づく因数分解ITSの構築
Project/Area Number |
05780167
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
松原 行宏 広島大学, 工学部, 助手 (30219472)
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Keywords | 知的教育システム / 知識獲得 / 学習理論 / モチベーション / ITS / EBL |
Research Abstract |
知的教育システム(ITS)の構築を行う場合、領域に関する知識(教材知識)の把握、生徒の理解状態(学習者モデル)の評価、それに即した教育(教授戦略)が重要な点となる。従来よりITSの研究は、学習者モデルの立場から多くのモデル推定アルゴリズムが提案されている。しかしながら、実際にシステムを構築する場合、困難な作業を要する教材知識の抽出、教授戦略の設定の立場からシステム設計している事例は少ない。教材知識・教授戦略は対象領域に依存し、構築に際しては比較的明確に分類しやすい知識でも大変な作業となるのは経験的に明かである。以上の観点から、本研究では教師が生徒に教える場合の教える順序や教え方の特徴に注目して、教材知識構築のための学習アルゴリズム(DKCS)の設計を行った。更に、比較的知識構造が明確な因数分解の領域に適用を試み、DKCSの評価環境として因数分解ITSを構築した。 【1】教材知識構築システム(DKCS:Domain Knowledge Construction System)の構築 問題解決知識を対象領域とし、問題解決方法や学習過程を人間の行うものと対応できるよう、ACT^*などの学習理論と対比し、手続き化、合成、一般化、弁別等の基本学習機構を実現した。そこで、教師が生徒に教えるときと同様の形態を想定し、例題の与え方に特徴をもたせ、効率的な教材知識自動構築アルゴリズムを設計した。更に例題の与える順序関係を教材知識中での知識の類似度と考えることにより、EBGとSBGの利点を統合してアルゴリズムの拡張を行った。 【2】DKCSに基づく因数分解ITSの設計 教授戦略の担う機能を明確にし、教授戦略アルゴリズムを設計した。これを基に、DKCSの評価環境として因数分解ITSを構築した。本システムは教材知識モジュールにDKCSが組み込まれており、色々な教示例に基づく教材知識を容易にシステム内に組み込むことが可能となる。本システムを用いて各種教材知識が実際の教育に有効であるかを評価することが可能になる。
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[Publications] Y.Matsubara,: "DKCS:Domain Knowledge Construction System for Factorization ITS" Proceeding of the Second China-Japan International Symposium on Industrial Management. 377-382 (1993)
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[Publications] M.Nakamukai,: "Development of a Factorization ITS" Proceeding of the Second China-Japan International Symposium on Industrial Management. 371-376 (1993)