1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05780208
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
岡崎 威生 九州大学, 理学部, 助手 (90213925)
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Keywords | 潜在構造モデル / 因子分析 / 標本併合 |
Research Abstract |
潜在構造モデルを因子分析モデルに特定し、その現実問題として、調査票による社会調査をとりあげた。広領域にわたる社会調査においては、調査項目の増大が原因となって調査コストや回答の信頼性、回答拒否などの問題が生じている。そのため、調査項目の圧縮が求められる。 因子分析モデルでは、事象モデルに適合し適切な項目数の観測変数を得ることが必要であるが、モデルに対して完全なデータを入手することは困難であることが多い。そこで、データが逐次的に得られるものとして、各収集時点で次の観測変数の変更を許した解析法の構築した。すなわち、観測変数を逐次更新し、標本併合による完全データの復元をおこなった。因子分析の一般化されたモデルは共通因子間に相関を想定する直行モデルをもちいた。また、共通因子数は既知として、識別可能性の問題を考慮していない。 完全データに対する観測データの位置づけを、欠測ブロックを含むものとして、標本併合によりその欠測部分を補っていく。この併合を逐次的におこない、最終的に事象モデルの解析に必要な全観測変数をえる。欠測部分の補完は、EMアルゴリズムをもちいた。そして観測データを完全データに対する分割と考え、分割の条件を考察した。 最後にモンテカルロ法によるシミュレーションによって、この推定法の評価をおこなった。欠測ブロック間の相関が大きくなるに従って、完全データの復元が困難になる結果が得られた。
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