1993 Fiscal Year Annual Research Report
分散ス-パコンピューテイング環境における信頼性のある大域オーダリングに関する研究
Project/Area Number |
05780258
|
Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
|
Keywords | オーダリング / マルチキャスト / 信頼性 |
Research Abstract |
本研究は、分散システムにおいて、そのグループのアクテイブな構成要素すべてに対する順序正しいメッセージの伝達を保証する、信頼性のある大域的なオーダリングを可能にしようとするものである。ここでは、マルチキャスト環境において送信元が単一であるオーダリングに焦点を絞って研究を開始し、次のような重要な問題点を明らかにした。 参加している全ワークステーションの状態とそれぞれのワークステーションで送児受信されるデータグラムを大域的に記録するにはメッセージの付加が必要となるため、実質的な遅延を招く。データグラムがグループの全構成要素に確実に受信されるように、送信元にデータグラム緩衝装置をおくことはシステムの容量の面で限界がある。また、独自のオーダリングをして処理しなければ不整合やデットロックを引き起こしてしまうようなアプリケーションもかなり存在する。ワークステーションやネットワークの故障からエラーを回復されることは困難である。なぜなら、それはグループの再構成を認めること、ロール・バック及び失われたデータグラムを回復することを要求するからである。 以上のように、本研究は今後の研究の出発点となるものである。分散システムにおいて信頼性のある大域なオーダリングの方法を構築する際には、伝達システムに負荷や複雑さを加えずに特定のアプリケーション的の要求を満たすことができる方法の開発が不可欠であることがわかった。
|