1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05780281
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
沼尾 正行 東京工業大学, 工学部, 助教授 (30198551)
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Keywords | 人工知能 / 学習 / 説明に基づく学習 / 学習の有効性 / Prolog / Lisp / グラフリダクション / 平面幾何 |
Research Abstract |
人工知能のための代表的な学習手法として,説明に基づく学習がある.この手法では,学習すべき概念の例を領域固有の知識を用いて説明し,その例を一般化して獲得することにより,問題解決を効率化する.ところが,獲得したルールが増加し過ぎると,逆に推論効率が低下することが多く,学習の有効性が問題になってしまう. 本研究では,この問題を解決する推論および学習機構を開発した.学習と推論の各過程は,これまで別々の機構で実現されてきたが,グラフリダクションによる並列計算手法の導入により,両方の過程を融合する.効率低下は,学習後に増加したルールの検索コストにより生じる.本手法では新しいルールを生成せず,学習前のルール構造の上に必要な構造だけを追加するので,ルール数を増加させずに効率的な表現を獲得でき,常に学習を有効に保つことができる.このことを理論と実験の両面から確かめた. まず,Prolog言語によりシステムを記述し,コンピュータ上で基本的な動作を確認した.簡単な例題を数多く実行することにより,ハンドシミュレーションでは検出されないバグを発見し,仕様の詰めを行なった. 最終的に,システムをLisp言語上で実現し,目標とする速度のシステムの実現を行なった.これにより,member述語,平面幾何の証明などの問題を解き,推論と並行して自動的に学習が行なわれていること,学習を繰り返しても推論効率は低下せず,学習の有効性が保たれていることを確かめた.
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[Publications] キッスィリクソ,沼尾正行: "非決定的,無弁別なリテラルを含む論理プログラムの学習" 人工知能学会誌. 8. 46-54 (1993)
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[Publications] 沼尾正行: "並列グラフリダクションシステムの学習能力" 情報処理学会 研究報告. 93-AI-89. 65-73 (1993)
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[Publications] 大谷紀子,沼尾正行: "プログラミング言語の学習過程におけるイメージの役割" 日本認知科学会 R&I研究分科会. 1. 1-9 (1993)
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[Publications] 大谷紀子,沼尾正行: "人間の学習はイメージにより加速されるか?" 日本認知科学会 大会論文集. 10. 198-199 (1993)
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[Publications] 山口幸志,沼尾正行: "自動編曲システムにおけるコード進行の学習" 人工知能学会 全国大会論文集. 7. 105-108 (1993)
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[Publications] 河辺信吾 他: "イメージを用いた推論のコンピュータモデル" 人工知能学会 全国大会論文集. 7. 11-14 (1993)
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[Publications] 沼尾正行,大谷紀子: "日本認知科学会テクニカルレポート,No.22" 感性への計算的アプローチ, 75 (1993)