1993 Fiscal Year Annual Research Report
公共的ファジイ多目的計画問題に対する不特定多数の要求を考慮した調和的意思決定法
Project/Area Number |
05780333
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
乾口 雅弘 広島大学, 工学部, 助教授 (60193570)
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Keywords | 多目的線形計画法 / リグレット / 加重平均 / 区間計画法 / 可能性 / パレート最適解 / シンプレックス法 / 緩和法 |
Research Abstract |
1.多目的線形計画問題における複数の決定者の存在を考慮した解の概念 多目的線形計画問題においては,主として,単一の決定者の存在を考慮してきた.しかし,公共部門の計画問題などにおいては,社会の不特定多数の要求を満足する必要があり,多くの決定者の存在を考慮しなければならない.各決定者が選択する解はパレート最適解であると仮定できる.多目的線形計画問題の任意のパレート最適解は各目的関数を加重平均した関数に対する最適解になるという性質があり,各目的関数に施す加重ベクトルは各決定者の要求を反映すると考えられる.また,各目的関数の値域を区間[0,1]に基準化し,加重平均された目的関数が,その加重ベクトルをもつ決定者の満足度を示すものと考える.そのとき,各決定者に対して最適な満足度との差を考えることにより,リグレットが定義できる.そこで,複数の決定者の存在を考慮するため,加重ベクトルの集合(多面体)を考え,最悪のリグレットが最少になるような解を考えた.この解を求めるための方法を議論し,多基準シンプレックス法により,すべてのパレート最適端点を求めた後,シンプレックス法と緩和法に基づく計算方法を提案した.また,一対比較法を用いて加重ベクトルの集合を定める方法を考察した.なお,より合理的に加重ベクトルの集合を定めることは今後の課題である. 2.区間多目的線形計画問題に対する可能的パレート最適端点の列挙法 目的関数の係数が明確に定まらない場合に対処するため,区間多目的線形計画問題を取り上げ,パレート最適端点となりうる解(可能的パレート最適端点)をすべて列挙する方法を開発した.この方法はシンプレックス法に基づいている.区間多目的線形計画問題の場合へ1の方法を導入することなどが今後の課題である.
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[Publications] 乾口雅弘: "区間目的関数をもつ線形計画問題における最悪達成率最適化" システム制御情報学会論文誌. 6巻. 243-251 (1993)
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[Publications] Masahiro Inuiguchi: "Possible and Necessary Optimality Tests in Possibilistic Linear Programming Problems" Proceedings of the Fifth International Fuzzy Systems Association World Congress. Vol.1. 656-659 (1993)
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[Publications] 乾口雅弘: "ファジ-多目的線形計画問題の変換方法について" 電子情報通信学会論文誌A. J76-A. 1631-1633 (1993)