1993 Fiscal Year Annual Research Report
プローブとして中性子を用いた気液二相流の流動特性計測に関する研究
Project/Area Number |
05780372
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
日引 俊 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (30228746)
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Keywords | 中性子ラジオグラフィ / 可視化 / 画像処理 / 混相流 / 二相流 / 小口径円管 / ボイド率 / ドリフトフラックス相関 |
Research Abstract |
1.目的 本研究では、中性子をプローブとして用い、可視光に不透明な金属製流路、接触型プローブの使用が不可能な狭小流路等における流動特性計測法の確立を目的とし、小口径円管(内径d=1,2,3,4mm)内の空気-水二相流のボイド率計測を試み、以下の結果を得た。 2.実験 日本原子力研究所JRR-3Mの熱中性子ラジオグラフィ設備第2撮影室の実時間中性子ラジオグラフィ設備内に二相流ループを設置し、実験を行った。 計測法 NRG画像の輝度情報からボイド率の計測を行った。その計測に際しては、(I)暗電流、(II)シェ-ディング、(III)線源強度の揺らぎ、(IV)電子機器のドリフト,(V)散乱中性子の影響を検討した。(I)〜(IV)の補正を施された二相流画像の輝度を背景画像の輝度で除し、対数化した対数輝度(beta)は、水膜厚さ(delta_W)に比例することを導出し本関係よりボイド率を計測を行った。一般に、(V)の散乱中性子の影響は、NRG画像の定量化に際して、無視できないといわれているが、図1に示したように、円管内の任意の位置(x)水で満たされた円管のNRG画像から計測された対数輝度の実測値と散乱中性子を考慮しない場合の対数輝度の計算値が良好に一致することから、本実験範囲内では、散乱中性子の影響は無視できることを明らかにした。 4.結果 上記計測法により、小口径円管内のボイド率は、誤差5%以内で計測可能であった。図2に示したように得られたボイド率データから計算された気相速度(V_G)と体積平均流束(j)との間には、直線関係が成立し、小口径円管内においてもドリフト相関が可能であることを示した。
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