1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05780382
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
勝木 淳 熊本大学, 工学部, 助手 (80233758)
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Keywords | レールガン / プラズマ電機子 / 核融合 / アイスペレット入射 / 永久磁石 / ローレンツカ |
Research Abstract |
アイスペレット入射装置として数種のペレット加速方式が研究されているが、現在のところ、二段軽ガス銃方式によって3km/sまでの速度領域でペレットサイズ及び射出速度を制御できるようになった。しかしながら、軽ガス銃方式でそれ以上の速度を達成する子とは原理的に不可能であり、他の加速方式の開発が望まれる。我々は、5km/s以上の速度を原理的に達成可能なレールガン方式のペレット加速装置の開発を行っている。これまでに、永久磁石を利用した磁場増強型レールガンを考案し、従来型に比べてレールガン内壁の熱的損傷が減少すること、及びレールガン内において二次的な電流の発生が抑制されることを実験的に確信した。 本研究では、永久磁石によって加速管に印加される磁場がレールガンの動作、特にプラズマ電機子に及ぼす作用について調べた。また、レールガン内部における熱伝導シミュレーションを行い、レールとして最適な金属材料について検討した。 1)プラズマ電機子の振舞の観察 50cmの永久磁石付き磁場増強型及び同じ長さの従来型の2台のレールガンを用い、両者におけるプラズマ電機子の振舞をピックアップコイル及び高速度カメラを用いて調べた。永久磁石を使用した磁場増強型レールガンの方が速度の立ち上がりが速く、動作の再現性が非常に良い。レールガン従来型レールガンでは全てのショットにおいて二次的な電流が発生しているのに対し、磁場増強型レールガンでは二次電流の発生率が半減した。ショット後のレールの表面を解析すると、永久磁石を使うことによってレール表面の損傷が10分の1以下になっていることがわかった。これらの永久磁石を用いたことによるレールガン動作の改善は、駆動電流の低減によってレールガン内壁への熱負荷が減少したためであると考えられる。 2)レール材質の最適化 銅、真鍮、ステンレス及びタングステンをレール材としてサンプルした場合の熱伝導計算機シミュレーションを行った。その結果、レールの損傷に関して熱伝導率と融点が非常に重要なパラメータであることがわかった。タングステン、銅、真鍮、ステンレスの順で損傷が小さく、レールの材料としてタングステンが最も良いことがわかった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] S.Katsuki: "Plasma Initiation Separated from the Projectile" IEEE Trans. on Plasma Science. 21. 755-759 (1993)
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[Publications] H.Akiyama: "Pulsed Power Generator ASO-II by an Inductive Energy Storage System with Two-Staged Opening Switch" Proc. of Int. Sympo. on High Voltage Engineering. 3. 493-496 (1993)
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[Publications] S.Katsuki: "New Methods to Reduce the Erosion of Bore Materials in a Small Bore Railgun" Proc. of IEEE 9th Int. Pulsed Power Conf.(1993)