1993 Fiscal Year Annual Research Report
蛋白質機能解明を志向した新しい人工蛋白質構造体の構築法の開発
Project/Area Number |
05780421
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
二木 史郎 徳島大学, 薬学部, 助教授 (50199402)
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Keywords | ナトリウムチャンネル / 選択的ジスルフィド架橋 / ペプチドユニット / α-ヘリックス / 蛋白質モデル / 人工蛋白質 |
Research Abstract |
1.ユニットアセンブリング法を用いたα-ヘリックス4量体の構築 本研究ではユニットアセンブリング法を用いて、多くの蛋白質に見いだされるalpha-ヘリックス4量体構造の構築法を開発した。アミノ酸21残基からなる4つのペプチドユニットをpyridenesulfenyl化によるSH活性化法により選択的に順次架橋し、分子量9390の人工蛋白質を構築した(Futakiら,Tetrahedron Letters)。また、クロロアセチル基とSH基とのあいだの選択的S-アルキル化反応を用いる別法を開発し、分子量9140の人工蛋白質が構築出来た(Futakiら,Peptide Chemistry 1993)。CDスペクトル等を用いてこれらの蛋白質の性質を詳細に検討したところ、これら蛋白質は安定なα-ヘリックス4量体構造をとっていることがわかり、これらの方法は蛋白質モデルの構築に有用であることがわかった。 2.ナトリウムチャンネル膜電位センサー領域モデルの構築 ナトリウムチャンネルの膜電位センサー領域は正電荷に富むα-ヘリックス4量体(S4セグメント)からなっている。このモデルを構築するために、アミノ酸24残基からなるペプチド4本を合成した。予備実験の結果、1)に述べた方法のうちS-アルキル化を用いる方法が有用であることがわかったので、この方法を用いてこれらのペプチドユニットを選択的に架橋し、膜電位センサー領域のモデル蛋白質を合成した。現在、得られた蛋白質のイオンチャンネルとしての活性、さらには、この方法の蛋白質機能解明に対しての有用性について検討を行なっている。
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[Publications] S.Futaki,K.Kitagawa: "Peptide-Unit Assembling using Disulfide Cross-Linking:A New Approach for Construction of Protein Models" Tetrahedron Letters. (in press).
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[Publications] S.Futaki,T.Ishikawa,K.Kitagawa,T.Yagami: "Peptide Chemistry 1993" Protein Research Foundation(Osaka), 4 (1994)