1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05780423
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
児玉 浩明 佐賀大学, 理工学部, 助手 (80205418)
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Keywords | 自己防御ペプチド / マゲイニン / 機能構造 / 超2次構造 / コイルドコイル構造 / 2量体 / 固相ペプチド合成 / CDスペクトル |
Research Abstract |
マゲイニンは蛙皮膚から分泌され、外傷からの感染を防ぐ自己防御の働きを持つペプチドである。また、赤血球に対するヘモリシスをおこさない、新しいタイプの自己防御ペプチドとして注目されている。申請者はマゲイニンが水溶液中及び生体モデル膜中でa-ヘリックスが2分子会合したcoiled-coil構造という超2次構造を取っていることを発見した。これは他の両親媒性抗菌ペプチドには見られない性質であり、マゲイニンの細胞識別との関係が示唆された。今回、マゲイニンの機能構造を解明する目的で、マゲイニン分子をジスルフィド結合で2量化したアナローグをデザイン合成した。 ペプチド合成は固相ペプチド合成法により行なった。合成のプロトコールについて検討した結果、用いる樹脂、反応試薬、反応時間を制御する事で、マゲイニンタイプのペプチドを80%という、高収率で得ることができた。従来の方法では10%であったことから、今後ますますの応用が期待される。 立体構造はCDスペクトルで解析された。天然のマゲイニンはリン酸暖緩衝液中で500muMの高濃度でcoiled-coil構造をとる。しかし、二重化されたアナログは10muMで同様の超二次構造を形成した。これは二重化によるcoiled-coil構造構築が、濃度にして約50倍易容化されたことを意味し、マゲイニンの二重体構造の1つの証明となった。また、この二重体アナログのcoiled-coil構造は添加塩効果でも誘導され、疎水性相互作用で構造誘導されていることが判明された。さらに、トリフルオロエタノールで一本鎖a-ヘリックスに変換され、環境により構造変換が可能な、動的平衡にあることが示唆された。 この2量化マゲイニンはcoiled-coil構造の安定化と、それに伴う機能の増強が期待され、マゲイニンの特異性の解明に有用なアナローグとなることがわかった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] H.Kodama: "Potent Magainin Analogs Form Amphiphilic alpha-Helical Coiled-Coil." Peptide Chemistry 1992. 262-264 (1993)
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[Publications] T.Yasunaga: "Stereospecific Affinity Labelling of delta-Opioid Receptors by Enkephalin Analogs Containing S-Activated Cysteine Residueat Position 6" Peptide Chemistty 1992. 375-377 (1993)
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[Publications] T.Yasunaga: "Specific Affinity Labeling of mu Opioid Receptors by S-Activated Enkephalin Analog Containing P-Nitrophenylalanine" Bull.Chem.Soc.Jpn. 67. 296-299 (1993)
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[Publications] 児玉,浩明: "シクロプロパンアミノ酸の合成と立体制御因子としての生理活性ペプチドへの応用" 有機合成協会誌. 52. 180-191 (1994)