1993 Fiscal Year Annual Research Report
3-メチルコラントレンにより誘導されるグルクロン酸転移酵素遺伝子の発現制御機構
Project/Area Number |
05780463
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
生城 真一 姫路工業大学, 理学部, 助手 (50244679)
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Keywords | グルクリン酸転移酵素遺伝子 / 3-メチルコラントレン / 薬物応答性エレメント(XRE) |
Research Abstract |
ラットグルクロン酸転移酵素の遺伝子は、9個の異なる第1エクソンのクラスター(フェノールクラスター:A1〜A4、ビリルビンクラスター:B1〜B5)とその下流に位置する画分子種に共通な4個のエクソンから構成されている。この遺伝子複合体より、それぞれ異なる第1エクソンが選択的なスプライシングをうけ複数のアイソザイムが発現する。そのなかで4-ニトロフェノールを基質とする分子種は3-メチルコラントレン(3-MC)により特異的な誘導をうけることが知られている。本研究では、ラットゲノムライブラリーによりグルクロン酸転移酵素をコードする領域を含むコスミドクローンのサブクローニングを行い第1エクソン(A1〜A4)の翻訳領域の5'上流部分(5〜6kb)の塩基はいれつを決定し、既知の3-MC応答性配列との相同性をしらべ転写調節に関与する塩基配列の検索を行った。 3-MCにより強い誘導をうけるA1の翻訳領域の上流には、典型的な薬物応答性エレメント(XRE:Xenobiotic Responsive Element)が存在することが明らかとなり、同じ肝臓の薬物代謝酵素であるシトクロムP-450やグルタチオン-S-転移酵素と同様な転写調節機構により発現制御をうけているものと思われる。さらに同じく3-MCにより誘導をうけるA2の上流においても同様の配列が存在することが確認された。A4の上流においてはA2と非常に高い相同性を示す領域が存在したが、2塩基の置換によりXREに相当する配列が失われていることが明らかとなりA4が3-MCにより誘導をうけないことと一致している。現在、CAT遺伝子とXREを含む上流領域の構造を順次欠失させたキメラ遺伝子を肝由来の培養細胞に導入しCAT活性の発現を検討することにより、詳細な制御情報の解析を行っている。
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Research Products
(1 results)