1993 Fiscal Year Annual Research Report
間充織-上皮転換のメカニズムの分子,細胞生物学的研究
Project/Area Number |
05780530
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
檜枝 洋記 大阪大学, 教養部, 助手 (30243132)
|
Keywords | 形態形成 / 間充織-上皮転換 / c-ROS |
Research Abstract |
本年度は3つの研究計画-(1)間充織-上皮転換の誘導に関わる分子の探索(2)c-ROSタンパク質の発現(3)間充織-上皮転換のin vitro培養系の開発-を立て実施してきた。 (1)マウス腎原基における間充織細胞の上皮細胞への誘導転換に関わる分子の探索を目的として、モノクローナル抗体の作製を試みた。マウス11〜12日胎児の腎原基を抗原としてアルメニアンハムスターに免疫し、その脾臓細胞をマウス由来ミエローマ細胞と融合させた。マウス腎原基にたいする蛍光抗体染色法により、陽性抗体を賛成している融合細胞を選別し、その中から特に興味深いものをクローニングした。現在それらの抗体の詳しい性質を免疫ブロット等で解析中である。 (2)c-ROSはcDNA配列から受容体型のチロシンキナーゼタンパク質であること、またそのmRNAの発現様式から間充織-上皮転換に関わっていることが推測されている。そこでタンパク質レベルでの解析を進めるためにc-ROSタンパク質に対する抗体の作製を試みた。c-ROSタンパク質の細胞外ドメインを含む融合タンパク質を大腸菌に作らせ、現在それに対する抗体を作成中である。 (3)間充織細胞の上皮細胞への転換を再現できるようなin vitro培養系については、さまざまな培養条件を検討しているが現在のところまだ開発できていない。ただ、条件検討の中から、腎原基を含む器官原基の形成メカニズムを研究する上で、今後の進展が期待できる研究課題を見いだすことができた。
|