1993 Fiscal Year Annual Research Report
生体染色を用いた大脳皮質視覚野における求心性線維の分枝形成の研究
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05780623
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
山本 亘彦 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (00191429)
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Keywords | 大脳皮質 / 外側膝状体 / 軸索 / 分枝 / 標的認識 / 層特異性 / coculture |
Research Abstract |
大脳皮質への入力線維は特定の層で神経結合を形成することが知られている。この皮質求心性線維の層特異的な神経結合を作り出す細胞間相互作用の特性を明らかにするために、外側膝状体(LGN)と大脳皮質視覚野(VC)のcoculture標本を用いて、LGN軸策を蛍光色素で標識しその成長、分枝を経時的に観察した。LGN、VC切片を各々ED16-17、PI-3ラットから取り出し培養した。LGN組織片はVC組織片の腹部、背部、側部に配置し、LGN軸索を標識するために培養4-6日後、蛍光色素DiIの小片をLGN組織片上に置いた。2-3日後、標識されたLGN軸索を共焦点レーザー走査型顕微鏡で約1日、0.5-2時間間隔で観察した。LGN組織片をVC組織片腹部に置いた場合、観察したLGN軸索の約半数は枝分かれを開始し、残りのLGN軸策は分枝を形成せずに表層まで到達した。枝分かれした軸策の多くは4層で枝分かれを形成した。また、観察した軸索の2/3は成長途中に一時的に成長を突然停止あるいは退縮したが、その停止位置の多くも4層にあることが示された。さらにLGN組織片をVC組織片の背部、側部に配置した場合においても、LGN軸策の枝分かれ、停止の層分布は基本的には同じであった。但し、LGN軸策が側部から入ってきた場合には、4層での分枝は生じたが停止は見られなかった。これらの結果は、皮質4層にLGN軸策の枝分かれあるいは成長の停止を指示する局所的な手がかり分子(細胞表面分子あるいは細胞外マトリクス分子)が存在することを示唆している。また、LGN軸策は停止因子の層ごとの濃度の違いに反応して停止すると考えられる。
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[Publications] Kurotani,T.,Yamamoto,N.Toyama,K.: "Development of neural connections between visual cortex and transplanted lateral geniculate nucleus in rats21GC01:Developmental Brain Research" 71. 151-168 (1993)
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[Publications] Toyama,K.,Komatsu,Y,Yamamoto,N.Kurotani,T.: "In vitro studies of visual cortical development and plasticity" Progress in Neurobiology. 41. 543-546 (1993)