1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05801023
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
佐々木 衞 山口大学, 人文学部, 助教授 (60136398)
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Keywords | 社会人類学 / 社会変動 / 中国 / 民衆文化 |
Research Abstract |
社会人類学によって解釈される「構造」モデルが、横断面的で非時間的な特徴をもち、また暫定的なものにすぎないとしても、解釈の関心と次元を明示すれば、社会変動を測定する尺度として用いることが可能である。本研究は、中国の近代化を担う精神的な原動力を明らかにする目的で、変動をとらえる概念的なモデルを構想した。 モデルを構想するために用いた資料は、『近代中国の社会と民衆文化----日中共同研究・華北村落社会調査資料』(佐々木衛編、東方書店、1992年)をはじめとした社会人類学的調査資料、および、多くの研究者によって検証された歴史資料である。 仮説的なモデルは、(1)家族と親族の構造、(2)社会生活の構造、(3)秩序と規範の構造の三つの次元で整理した。この仮説的なモデルをもちいて、一九三〇年代から今日にいたる社会変容を検証し、中国社会の基礎構造の変化と連続、さらに、現代化の中で伝統的な基礎構造が人々のエネルギーをくみ出し、方向をあたえている論理を検討した。 本研究は、現代中国の新しいダイナミックな変動を理解するための一つの論点を提供できたと考える。将来さらに社会人類学的な調査を蓄積して、仮説モデルを発展させることができれば、近代と現代とを結ぶ社会変動の全体的な理解が可能になると考える。 なお、本研究でえた成果の一部は、『中国民衆の社会と秩序』(佐々木衛、東方書店、1993)として出版した。
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[Publications] 佐々木 衛: "中国民衆の社会と秩序" 東方書店, 263 (1993)
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[Publications] 佐々木 衛: "鈴木廣 監修『地域社会学の現在』 論文名「中国社会におけるコミュニティ形成」" ミネルヴァ書房 (予定), (1994)