1993 Fiscal Year Annual Research Report
発達障害児に対する共同行為ルーティンを利用したコミュニケーション指導方法の開発
Project/Area Number |
05801032
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
長崎 勤 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (80172518)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅野 敦 東京学芸大学, 教育学部附属特殊教育研究施設, 助教授 (10211187)
谷 俊治 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (90014670)
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Keywords | スクリプト / 共同行為ルーティン / 発達障害児 / コミュニケーション |
Research Abstract |
1)コミュニケーション能力の評価 発達年齢0-2歳児向けのコミュニケーション能力評価尺度を作成し、指導対象児の伝達行為の問題点の把握の為に用いた。 2)おやつ場面の共同行為ルーティンを用いたコミュニケーション指導 a)2歳ダウン症児に対する指導 i)目的:1)の評価に基づき、前言語的なコミュニケーションから語彙の獲得に至る過程の対象児に対して、おやつ場面の共同行為ルーティンをとうしてコミュニケーション・語彙の獲得の指導を行った。 ii)対象児:2歳ダウン症児3名 iii)指導手続き:おやつ場面を設定しそのスクリプト構造から行動要素に対応したコミュニケーション・言語の指導を行った。おやつ場面は設定場面、実行場面、確認場面からなる。理解、表出毎に6-7段階の指導者の対応の仕方が決められている。指導者は対象児の発達に応じ、身体活動から言語的な働きかけに徐々に移行するようにするように計画されていた。指導者のかかわりと対象児の行動はチェックリストによって評価された。。指導は月2-3回、合計22セッションであった。iV)結果(概略):伝達手段は徐々に高次化し、語彙による表現も見られるようになった。理解も徐々に言語指示による理解が可能になった。家庭での般化も多く認められた。語彙調査でも増加が認められた。 b)3歳児に対する指導 i)目的:語彙から二文節文の表出、自発的なスクリプト達成を目的にした。 ii)対象児:3歳ダウン症児3名 iii)指導手続き:a)と同様である。 iV)結果(概略):部分的な表出語彙から徐々に完全な語彙へと変化していった。また、「-ちょうだい」といった二文節文も表出した。スクリプトの成分では実行、確認では自発する事が見られた。子供同士のかかわりも増加した。 3)今後の予定:以上2つの指導者方法についての発話内容の分析やゲームスクリプトを用いた指導について分析を進める。
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