1994 Fiscal Year Annual Research Report
発達障害児に対する共同行為ルーティンを利用したコミュニケーション指導方法の開発
Project/Area Number |
05801032
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
長崎 勤 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (80172518)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷 俊治 東京学芸大学, 教育学部, 名誉教授 (90014670)
出口 利定 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (50143623)
菅野 敦 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (10211187)
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Keywords | 共同行為ルーティン / 言語指導 / コミュニケーション / 生活 / ゲーム / おやつ |
Research Abstract |
1指導理論の検討と指導方法の開発 認知心理学でのスクリプト理論に基づき、共同行為ルーティンにおいて、スクリプト要素の獲得と、それに対応した言語の獲得という2つの獲得過程が併存すると言う仮定に基づいて、おやつ、朝の会などの日常生活やゲームの共同行為ルーティン(因果性や順序性を持った行為の連鎖)の構造を分析し、コミュニケーション・言語の指導目標を階層化した指導プログラムを開発した。チェックリストによる記録様式を作成し、コンピュータ処理で課題達成度の評価の効率性を高めるよう計画された。 2実験的指導 おやつ場面を用いた指導では指導者の段階者なプロンプトによって非言語的なスクリプト要素の理解と表出から徐々に言語による理解と表出へと変化していった。ゲーム共同行為ルーティンを用いた指導では固定された役割の理解から、役割の交代を含むルールの理解へと変化し、それに伴い言語の表出が認められた。物のやり取りに伴った言語の使用が混乱していたり、対人的相互交渉に問題行動が目立つ対象児に特設の共同行為ルーティン場面を設け指導した結果、標的行動の改善が見られ、また指導言語の獲得が認められた。また、コミュニケーション評価尺度を作成し、指導効果の検討に用いた。 3クラスルームでの適用 養護学校や特殊学級また通園施設で実験指導で開発された指導プログラムと記録パッケージを適用しその有効性が確認された。 以上から本指導方法の一定の妥当性が確認されたといえる。
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