1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05801043
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
三宅 明正 千葉大学, 教養部, 助教授 (30174139)
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Keywords | 戦時労働 / 日本の労働組合 / 従業員組合 |
Research Abstract |
1研究経過 平成5年度には、三菱重工横浜製作所、神奈川県立公文書館、日本製鋼所室蘭工場、同志社大学人文科学研究所を主な対象として、戦時・戦後の労働組織に関する史料を調査、収集した。また、労働関係図書を購入し、これを併せて参照しつつ、収集した史料の分類と整理に着手した。 新たに得られた知見としては、(1)いくつかの工場には、戦時・戦後の労働組織について、学界でなお未利用の史料があるということ、(2)戦時・戦後初期(労働組合結成期)、企業再建整備時(占領後期)の3つの時期について、労働組織のありかたには共通する側面が強いことの、2点である。後者について、やや詳しく述べると、表面的なイデオロギーとは別に、労働組織の編成原理(工員と職員を包含しようとする点、従業員を生産を行なう主体として位置付けようとする点)に一貫性がうかがわれるということである。 2研究の評価 当初に計画した研究目的、計画方法との関連では、調査対象の事例がなお少ないという点を除いて、ほぼ当初予定通りに遂行されている。 達成度は、史料調査収集については、ほぼ予定通りであるが、その分類と整理には若干の遅れがある。本研究の終了年度である6年度には、この点の改善をはかりたい。
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