1993 Fiscal Year Annual Research Report
民間所蔵史料の保存・管理に関する研究-山梨県大月市星野家文書を素材にして-
Project/Area Number |
05801046
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Research Institution | National Institute of Japanese Literature |
Principal Investigator |
安藤 正人 国文学研究資料館, 史料館, 助教授 (90113422)
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Keywords | 文書(もんじょ) / 史料保存 / 保存科学 / 民間史料 / 史料学 / 史料管理学 / 文書群の内的構造 / 中性紙 |
Research Abstract |
本研究は、全国に膨大に残存する民間所蔵文書史料の科学的保存・管理法の確立をめざし、山梨県大月市星野家所蔵文書を中心素材として、(第1課題)保存科学的研究にもとづく「民間史料保存ガイドライン(仮称)」の作成、及び(第2課題)史料管理学的研究にもとづく「民間史料整理ガイドライン(仮称)」の作成、を試みようとする萌芽的研究である。平成5年度の研究実績は次のとおりである。 1.第一課題について (1)星野家の保存環境調査を実施した。星野家母屋(国指定重要文化財)は現在解体修理中なので文庫蔵(国指定重要文化財)の温度・湿度をデータロガーによって長期継続測定した。また、史料および史料収納封筒(従来の酸性紙封筒)の劣化度測定(pH値測定と耐折度判定)を実施した。 (2)データはすべてパソコンに入力し解析中であるが、伝統的な文庫蔵の保存環境の利点と欠点について興味深い結果が得られつつある。酸性紙封筒が史料に与える悪影響については予想外に高いことが判明した。 (3)史料収納用の中性紙封筒を作成し、実験的に試用を開始。目下その保存性について継続測定中である。 2.第二課題について (1)星野家文書約8,000点(すでに仮整理目録作成済み)の内、約6,000点のデータを、研究補助者の協力を得てパソコンに入力した。その過程で、仮目録作成上の問題点も数多く明らかになった。 (2)史料学的・史料管理学的観点から星野家文書群の構造研究を行うため、前記の入力データの分析と原史料の分析を開始したところであるが、近世・近代の典型的な地方文書として興味深い結果が得られつつある。
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