1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05801051
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
中山 昭吉 京都産業大学, 外国語学部, 教授 (60065753)
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Keywords | コシチューシコ / コシチューシコ蜂起 / クラクフ蜂起 / 「諸民族の春」 / 2月革命 / 10月革命 |
Research Abstract |
1.蜂起指導者コシチューシコの役割に着目してこれをコシチューシコ蜂起伝統にも加味した結果、19世紀ポーランド三大蜂起(11月蜂起,クラクフ蜂起、1月蜂起)を通じ、彼とその蜂起伝統が一貫して継承された歴史的事実を実証できた。その上で、これに立脚してコシチューシコ蜂起100周年に注目したところ、ニコライ2世即位年の同年が圧殺されたこの民族的伝統の再生・高揚第一波を形成した背景も確認できた。 2.研究をコシチューシコとその蜂起伝統の形で取り組んだ結果、彼の生誕百周年〓〓〓〓〓〓発のクラクフ蜂起とこれに続く、いわゆる「諸民族の春」でこれが演じた国際的役割が再検証できた。これを立脚点にして1905年ロシア革命期を検討することにより、1月蜂起以降圧殺されたこの民族的伝統の再生と軌を一にして民族伝統の再生。高揚第二波とみなしうる視点を獲得することができた。また、この革命期における「歴史的ポーランド」主要構成員ユダヤ人の役割に着目する必要性も再確認できた。 3.民族的伝統の再生・高揚第三波をコシチューシコ没後100周年の1917年に設定し、2月革命から10月革命期ペトログラードを中心にコシチューシコとその蜂起伝統の再生過程を同市刊の各種ポーランド語定期刊行物で追求した。これにより、10月革命直前のペトログラードも世界的規模のコシチューシコ追悼とその蜂起伝統顕彰の一第拠点を形成した事実を明白にできた。また、これにより10月革命を「20世紀ロシア版『諸民族の春』とみなしうる視点も可能となった。
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