1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05801051
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
中山 昭吉 京都産業大学, 外国語学部, 教授 (60065753)
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Keywords | コシチューシコ蜂起 / コシチューシコ没後100周年 / ロシア10月革命 / ペトログラード / 民族問題 / 国際関係 |
Research Abstract |
1.蜂起指導者コシチューシコの西洋近現史上の役割に着目し、その蜂起伝統の継承性を追究した結果、新旧両大陸諸国ではもとより分割期ポーランド社会にもそれが継承された歴史的事実が判明した。ロシアとの関連では、蜂起100周年の1894年、革命期ロシアの1905年と1917年にも継承され、民族的伝統の再生気運に貢献したばかりか、民族解放と国家再建の原動力になりえた面も実証できた。 2.ロシア10月革命の歴史的背景をより根源的に理解する必要上、分割以降のポーランド人諸勢力のロシア社会での実体を明らかにし、無視できない彼らの分布をペトログラードで知りえただけではない。従来居住人口に加え、第一次世界大戦勃発以降の戦時強制疎開者ばかりか、解放政治犯・流刑囚、脱走兵、国外亡命者、避難民の流入を通した彼らの民族・社会革命的動向もより具体的に再現できた。その際、同市刊ポーランド語各種定期刊行物が役立ったことは強調するまでもない。 3.10月革命勃発期ペトログラードに焦点を絞り、その直前展開の国際的規模のコシチューシコ没後100周年追悼行事との関連性を問題にした。その結果、ペトログラードのそれもワルシャワに次ぐ規模であった事実と、コシチューシコとその蜂起伝統の本格的顕彰期と10月革命勃発とが合致した背景も跡付けられた。したがって、今後のロシア10月革命研究に際し、革命期ペトログラードを国際的革命都市とする観点からも同市の民族問題と並んで国際関係的視点が要請されてよい。
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Research Products
(2 results)