1993 Fiscal Year Annual Research Report
民話モティーフ・データベースの試作と物語構造の計量的分析手法の開発
Project/Area Number |
05801071
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
小田 淳一 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 助教授 (10177230)
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Keywords | 民話データベース / 物語分析 / リスト構造 / モティーフ |
Research Abstract |
本年度は基礎データとなる民話モティーフの計算機への入力とデータベースの論理的構造(物語内容のコード化を含む)の検討を中心に以下の研究を行った。 1.スティス・トンプソンの民話モティーフ索引(全6巻)の内、ほぼ2巻分のデータを計算機(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所の大型計算機システムHITAC-640)に入力し、データベース構築のための基礎データとした。また、民話本体を格納するデータベースの設計も併せて行い、民話のいわゆる書誌的情報に関わるデータ項目(地域、使用言語、概要、ジャンル、既存モティーフ(トンプソン)の参照番号等々)を設定すると共に、データベースの定義や検索処理のテスト等の準備作業は終了している。今後はモティーフの入力作業を継続すると共に、最終的に独自のモティーフ・データベースを構築する予備段階として、入力されたデータの総語索引の作成及びモティーフ間の階層的な相互関係を分析するためのプログラムを開発する。 2.民話分析の変遷を辿り、計量的な手法への発展の可能性を内包した分析方法について、それらを計算機上で応用する手段の検討を行った。特にモティーフの組み合わせによる民話の個別的な構造を計算機上で表現する手法については、言語学者テニエールの「行為項」モデルを参考に、モティーフの連鎖を木構造として捉え、それをリスト表現に変換して格納することとした。これによって、将来的には、検索されたモティーフがLISPシステムに渡されて分析されることも可能となり、現在、LISPにおける関数定義の作業も平行して行っている。
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Research Products
(1 results)