1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05804022
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
渡辺 尭 茨城大学, 理学部, 教授 (10023681)
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Keywords | 地球大気環境 / 太陽活動 / 高層気象 / 太陽プロントン現象 / 太陽地球環境科学 |
Research Abstract |
日本国内における高層気象ラジオゾンデ観測データと太陽活動観測データの収集とデータベース化を行った。収集した太陽活動観測データは、概ね1970年代以降の太陽フレア、太陽電波バースト、太陽風プラズマ、惑星間空間磁場、静止衛星による太陽X線、磁場、粒子、地磁気活動などである、高層気象データは国内だけでなく、南極昭和基地において取得されたデータも収集した。ディジタル化されていないデータについては「数表データ読取装置」によってディジタル化し、規定フォーマットに従ってデータベース化を行った。既に一部データは光磁気ディスク等によって、データ取得希望に応じている。データの解析はパーソナルコンピュータ、ワークステーションによって行っており、解析ソフトの主要部はほぼ完成している。予備的解析によると、冬季の日本付近における成層圏、対流圏における1-3度に及ぶ短期的(1-2日)な気温の変化のあるものは、強い太陽プロトン現象に伴って発生していることが示されているが、同時期における南極昭和基地のデータについては、むしろ地磁気活動の方に相関があらわれ、太陽活動に対する地球大気の応答に地域性があることが示唆される。このことは、太陽活動が地球大気に何らかの影響を及ぼすプロセスに単純でなく、エネルギーが流入する地球の南北高緯度帯における海陸の分布の相違による気圧の配置構造などの差によって、影響の現われ方が変わってくることの可能性を示している。今後は更に詳細な解析を進め、準2年振動や南方振動のような大気大規模構造の変化との関連を調べる。
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