1994 Fiscal Year Annual Research Report
環境試料や生体試料中の硫酸イオンやりん酸イオンの選択性電極の開発に関する研究
Project/Area Number |
05804041
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Research Institution | OKAYAMA UNIVERSITY OF SCIENCE |
Principal Investigator |
小嶋 健博 岡山理科大学, 理学部, 助教授 (00113192)
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Keywords | イオン選択性電極 / クロラニル酸塩 / 塩化ポリビニル / 硫酸イオン / りん酸イオン |
Research Abstract |
平成5年度クロラニル酸と希土類元素、Y、Ce、La、Nd、Euの塩を合成し、硫酸イオン、りん酸イオンの感応物質として検討した結果、硫酸イオンに対してはCLB、りん酸イオンに対してはCLLとCLNd塩が適していることがわかった。 1)CLB、CLLおよびCLNdを感応物質としたPVC膜電極を作製し、硫酸イオンに対してはCLB、りん酸イオンに対してはCLLとCLNdが優れており、CLLとCLNdを比較した場合、感度はCLNdがCLLより高いが、溶解度が大きいため再使用、耐久性からCLLの方が感応物質として優れているように思える。2)有機化合物中の硫黄の分析に適用した結果、酸素分解フラスコ燃焼法で、試料溶液のpHは3から4に低下するために、炭酸ナトリウム塩を中和剤として用いれば再現性3%以内で定量できることがわかった。3)本電極の応答機構を調べるために遊離のクロラニル酸イオンの定量につきHPLC(uv検出)法では硫酸イオン濃度が10^<-3>以上では妨害のため測定できなかった。そこで、サイクリックポルタンメトリー(CV)法で遊離クロラニル酸イオンを測定した結果、硫酸イオン濃度の増加と共に、遊離のクロラニル酸濃度、硫酸に対する電位(emf)も大きくなることがわかった。
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[Publications] T.Kojima,V.Katovic,et al.: "ELCTROCATALYTIC REDUCTION OF SULFURIC ACID TO HYDROGEN TO HYDROGEN BY A TRINUCLEAR NIOBIUM CLUSTER" Inorganic.Chemistry. 33. 630-631 (1994)
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[Publications] T.KOJIMA,K.NAGAMA AND Y.SHIGETOMI: "SULFATE-SELECTIVE ELECTRODE POLY(VINYL CHLORIDE)MEMBRANE IMPREGNATED WITH BARIUM CHLORANILATE" Analytical Science. 10. 939-942 (1994)
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[Publications] 小嶋健博、山岡憲二、坂田嗣、重富康正: "トリ-n-オクチルアミン抽出を併用した高速液体クロマトグラフィーによる漬物中のタートラジン、サンセットイエロ-およびソルビン酸の分析" 海水誌. 48. 421-426 (1994)