1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05805005
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
大頭 仁 早稲田大学, 理工学部, 教授 (10063520)
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Keywords | 生理光学 / 視覚 / 調節 |
Research Abstract |
1.調節の空間周波数特性 視覚対象に対する視覚系の調節状態の変動状態の特性を調べるために,様々な空間周波数の正弦波状輝度勾配を持った視覚刺激を視覚対象として呈示し,その時の刺激呈示位置に対する調節の変動を測定した。 またこの時の眼球光学系の結像状態をシミュレートして刺激の空間周波数特性との関係を解析した。しかし調節は網膜以降の情報処理特性とも密接に関連しているものと思われるので,今後は視覚系全体の空間周波数特性を考慮して解析を行う必要がある。 2.パターン化刺激に対する調節特性 視覚刺激に情報を持たせたときの調節特性に関しては,正弦波状輝度勾配を持った視覚刺激の方向を答えさせるなどのアテンションを加え調節状態を測定した。これにより測定値が収斂する傾向を見せたが,空間周波数やコントラストなどを系統的に変化させることは次年度へ持ち越しとなった。 またパターン化された図形として,視力検査に用いられるランドルト環を呈示して調節状態を測定した。その結果,情報を持たせた視覚刺激に対する調節特性には、正弦波状輝度勾配図形に類似した傾向を得た。しかし現在のところ視覚刺激に対する空間周波数的考慮が正確にはなされていないので,情報を持たせたことによる特異性に未だ十分には理解できない多くの問題があることが判明した。次年度においては呈示パターンに対して空間周波数フィルタリングを施すなどして,空間周波数的考慮を行い,さらに情報伝達の度合いと調節状態との関係について検討を行う予定である。
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