1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05805009
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
阿部 博之 東北大学, 工学部, 教授 (00005266)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂 真澄 東北大学, 工学部, 教授 (20158918)
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Keywords | 薄膜 / 核発生 / ダイヤモンド / シリコン / 超音波 / 付着 / 電子デバイス / 非破壊評価 |
Research Abstract |
電子デバイスあるいは切削工具などの主要構成材として,薄膜が重要な役割を担ってきている。その健全性評価においては付着強度の把握が不可欠である。近年,申請者らは,CVD薄膜を対象として,斜入射超音波の付着界面でのせん断成分の透過性が核発生密度に大きく依存することを実験より発見した。ここでは同発見を薄膜付着強度定量評価手法へ発展させることを目的として,同発見の学術的基礎の確立を図った。得られた成果を要約して以下に示す。 1.薄膜合成前の基板に対する傷つけ処理の時間を変えることにより,核発生密度のコントロールを実現した。すなわち,ダイヤモンド薄膜合成前のシリコン基板に対し,ダイヤモンド砥粒による傷つけ処理を処理時間を2種類変えて施した。傷つけ処理をそれぞれ30分および10秒施した基板について,薄膜合成後,走査型電子顕微鏡で観察した結果,それぞれ核発生密度が3.2×10^9,4.3×10^8cm^<-2>と異なっていることを確認した。 2.シリコン基板に傷つけ処理を施さずに,基板表面に散布したダイヤモンドパウダーを種結晶としてダイヤモンド薄膜を合成し,この場合の核発生密度は極めて小さいことを確認した。 3.核発生に及ぼす基板傷つけ処理の影響を解明することを目的として,傷つけ処理を施したシリコン基板と反応ガスからなる核発生2次元モデルを考案し,同基板上に発生するダイヤモンド核を対象とした動的数値シミュレーションを行った。その結果,同モデルの有効性を確認した。 4.項目1および2において示した三種類の付着状態にある薄膜に超音波を斜入射し,透過超音波を計測して,透過率が核発生密度の増加に従い増加することを観察した。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] K.Hoshikawa(M.Saka,H.Abe,H.Fujita and Y.Izumi): "Ultrasonic Angle Beam Technique for NDE of Adhesive Strength of Thin Film" Advances in Electronic Packaging 1993. EEP-Vol.4-1. 443-447 (1993)