1993 Fiscal Year Annual Research Report
音響キャビテーションを利用したアモルファス材料の生成に関する研究
Project/Area Number |
05805016
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
庵原 昭夫 東北大学, 流体科学研究所, 助教授 (20091655)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡部 英夫 東北大学, 流体科学研究所, 助手 (10006190)
橋本 弘之 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (10006174)
|
Keywords | アモルファス / 超音波 / キャビテーション / 複合流体 |
Research Abstract |
本研究におけるアモルファス化の手法は,対象となる金属の化合物溶液またはその微細粒子を分散させた溶液に,強力な超音波を放出することによって生じるキャビテーション気泡が崩壊する際に生ずる瞬間的な高温と,それに引き続く急速な冷却を利用するものである.供試液体としては,(1)鉄ペンタカルボニル(Fe(CO)_5,融点:253K,沸点:375K,密度:1.43g/cm^3)をデカン(CH_8(CH_2)_8CH_3)に混合したもの(重量モル濃度:4モル)及び(2)酸化ほう素(B_2O_3,融点:733K,密度:2.46g/cm^3)の微粒子(直径が10μm以下)をデカンに分散したもの(粒子の重量濃度:5%)の2種類を使用した.この両液体に対してそれぞれ3時間の超音波照射を行った.(1)の場合には,時間とともに下層に沈澱物が集積した.照射終了後,この沈澱物を収集し,洗浄・乾燥の後,X線回折計による構造解析を行った.その結果,かなりの部分がアモルファス状態の鉄であることが判明した.(2)の場合には,わずかの粒子にのみアモルファス化が認められたが,大部分は元の結晶構造のままであった.以上の実験に加えて,複合混相液体中における気泡の挙動を支配する基礎式に導き,解析することによって,複合混相液体中では気泡の崩壊に伴う最大圧力及び温度は,単相液体の場合のそれより低下することなども明らかにした.
|