1993 Fiscal Year Annual Research Report
中空微粒子の合成と低温焼結による高靱性複合セラミックスの作製
Project/Area Number |
05805055
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Research Institution | Toyota Technological Institute |
Principal Investigator |
鈴木 久男 豊田工業大学, 工学部, 助教授 (70154573)
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Keywords | 金属アルコキシド法 / 均一共重合反応 / ムライト / 前駆体溶液 / 噴霧乾燥法 / 球状中空微粒子 |
Research Abstract |
本研究では、金属アルコキシド法により分子設計した前駆体溶液を噴霧乾燥するという新規な方法でムライト中空微粒子(粒径が1mum程度)の調製を試みた。中空微粒子は焼結体中への球状閉気孔の導入やマイクロカプセルへの応用が考えられる。 本年度は、中空微粒子が得られる条件を詳細に検討したが、その結果、中空微粒子は噴霧乾燥中の溶媒の乾燥速度と前駆体のゲル化速度に依存することが明らかとなった。すなわち、噴霧直後の液滴サイズと溶媒の種類(粘度と沸点)が噴霧乾燥後の微粒子の形態に大きな影響を与えると推察された。噴霧直後の液滴サイズを決定する因子としては、二流体ノズルの直径が最も大きな因子であり、前駆体溶液の粘度も影響を及ぼす。また、ゲル化速度は溶媒の種類と前駆体溶液中のアルコキシド濃度に強い影響を受けることが明らかとなった。具体的には、二流体ノズル径は、市販のものでは407mumのものが最小径であり、限界がある。さらに、二流体ノズルでは噴霧乾燥時の液滴径の分布を小さくすることは困難であった。そこで、超音波による霧化を検討中である。前駆体の粘度は均一共重合反応を達成できる条件ではあまり変化させることができないため、前駆体溶液調製後の希釈倍率などで調節する方法を検討した。これは、溶媒の種類にも大きく依存するが、二流体ノズルを用いた噴霧乾燥法ではイソブタノール以外の溶媒を用いて球状中空微粒子を得ることはできなかった。アルコキシド濃度は、0.1〜1Mの範囲で何れの場合にも球状中空微粒子の調製が可能であったが、その生成割合が変化すると考えられた。今後、1Mの前駆体溶液からの超音波霧化による球状中空微粒子の調製を検討する予定である。
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