1993 Fiscal Year Annual Research Report
インゲンマメにおける緑色光の小葉運動と葉枕活動電位に及ぼす影響に関する研究
Project/Area Number |
05806002
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
佐藤 肇 北海道教育大学, 教育学部・札幌校, 助教授 (20091530)
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Keywords | インゲンマメ / 小葉運動 / 葉枕 / 電位変動 / 緑色光 / ガラス電極 |
Research Abstract |
インゲンマメ品種、姫手亡を1/10,000aポットに育成し、開花期にその第4葉の頂小葉を用いて実験を行った。暗黒下で、スポット照明装置(オリンパス/LGW)により白色光(500W/m^2)およびこれにバンドパス・フィルタ(日本真空工学/DF)を通した赤色光(620nm以上、240W/m^2)、緑色光(520〜570nm、108W/m^2)および青色光(500nm以下、33W/m^2)を葉枕の上部に30分間照射した。これらの処理にはそれぞれ4または5個体を用いた。 光照射直前から終了までの小葉の上下傾斜角(垂直方向の角度)を10分間隔で測定し、また葉枕の上部と下部の電位を6秒毎に同時に測定した。電位の測定は、前置増幅器の付いた注射筒にガラス電極を取り付けた自作のプローブを用いた。2つのガラス電極の先端を葉枕の上部と下部に各々確実に接触させ、またもう1つの電極を主茎基部に接触させて基準電極とし、これらをペンレコーダおよびデータロガーと接続して記録した。 30分間の照射による小葉の上下傾斜角は、白色光による変化が最も大きく、緑色光がこれに近似した。しかし、赤色光と青色光では極めて小さな変化であった。 緑色光照射による葉枕の電位は変動幅が小さかったものの、白色光の変動パターンに類似した。赤色光の場合は、葉枕の両部位ともに照射直後からプラス方向に変化し、その変動は小さかった。青色光の照射では、赤色光とは逆にマイナス方向に大きく変動し、白色光による葉枕上部の変動とほぼ一致した。 以上の異なる波長光の照射による傾斜反応と葉枕の電位変動から、緑色光が小葉運動に大きく関与することが明らかになった。
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Research Products
(1 results)