1994 Fiscal Year Annual Research Report
天然型アブシジン酸がアブラナ科野菜の貯蔵器官における糖蓄積と肥大生長に及ぼす影響
Project/Area Number |
05806003
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Research Institution | Faculty of Agriculture, Yamagata University |
Principal Investigator |
西澤 隆 山形大学, 農学部, 助教授 (10208176)
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Keywords | アブシジン酸 / 炭水化物 / 抽だい / ハツカダイコン / 肥大生長 |
Research Abstract |
天然型アブシジン酸(以下S-ABAと記す)が、ハツカダイコンの栄養生長、特に根の肥大生長に及ぼす影響について調べ、以下の知見を得た。 1.子葉期の幼植物体に1〜100ppmのS-ABA溶液を散布して育てた場合、ハツカダイコンの肥大部の新鮮重は、処理濃度が高くなるにつれて減少する傾向を示した。しかし、同時に肥大部の縦方向への伸長生長が抑制され、横方向への伸長生長が促進された結果、肥大部の縦径と横径の比は対照区の0.6に対してS-ABA1及び100ppm区では0.8と、より球形に近づくことが明らかとなった。 また、この時の肥大部の可溶性糖濃度は、グルコース、フルクトース、スクロースとも処理間で有意差が認められなかったことから、S-ABA処理によって大きな品質低下を招くことなく、ハツカダイコンの肥大部をより球形に生育させることができるものと期待された。 2.アブラナ科根菜類の催芽種子を低温処理してからは種し、子葉展開期にS-ABAを葉面散布した場合、50ppm程度の低濃度処理でも十分抽だい抑制効果が認められた。
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