1993 Fiscal Year Annual Research Report
FXPRLアミド配列を持つ昆虫神経ペプチドホルモンの受容体の解析と応用
Project/Area Number |
05806007
|
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
満井 喬 理化学研究所, 昆虫生態制御研究室, 主任研究員 (00087602)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小澤 理香 理化学研究所, 昆虫生態制御研究室, 奨励研究生
松本 正吾 理化学研究所, 昆虫生態制御研究室, 先任研究員 (60134516)
|
Keywords | 神経ペプチドホルモン / 受容体 / アワヨトウ / カイコ / アワヨトウ体色黒化ホルモン |
Research Abstract |
本年度は、FXPRLアミド配列を持つ昆虫神経ペプチドホルモンのうち、特にアワヨトウの体色黒化ホルモンに注目し、ペプチドホルモンと受容体タンパク質との結合について、以下の研究を行なった。 1.本ホルモンをペプチド合成機にて合成し、受容体を検出するために、放射性ヨウ素あるいはトリチウムにて標識した。放射性ヨウ素による標識には、クロラミンT法を、トリチウムによる標識には、トリチウムラベルされたスクシンイミジルプロピオネートとペプチドのアミノ基を反応させる方法を用いた。 2.これらの標識ペプチドと同じ構造を有する非放射性標識ペプチドについて生物検定を行なったところ、もとのペプチドホルモンと同程度の生物活性を示した。このことから、標識による失活はなく、標識ペプチドが受容体タンパク質との結合実験に使用できることがわかった。 3.本ホルモンが作用するアワヨトウ幼虫の真皮あるいはカイコ雌成虫のフェロモン腺を緩衝液中でホモジナイズし、遠心分離により分画した。各画分を受容体試料として、上記の標識ペプチドを用いて結合実験を行なった。その結果、タンパク量の増加に伴い、標識ペプチドの結合量が増えていた。しかしながら、高濃度の非標識ペプチドの添加によっても、結合量の減少は認められなかった。すなわち、ここで採用した方法ではペプチドの受容体タンパク質への特異的な結合は検出できなかった。今後、標識化合物の核種や標識方法、電気泳動など結合実験の方法についてさらに検討し、研究を進める予定である。
|