1993 Fiscal Year Annual Research Report
ラジコンヘリによる水稲防除法に関する技術的経済的研究
Project/Area Number |
05806030
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Research Institution | University of East Asia |
Principal Investigator |
工藤 壽郎 東亜大学, 経営学部, 教授 (50039343)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内海 修一 佐賀県農業試験場, 専門技術員
山口 雄三 東亜大学, 工学部, 教授 (80239920)
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Keywords | ヘリ散布 / 水稲集団栽培 / 散布剤の輸送・拡散 |
Research Abstract |
最近、わか国では農業就業人口が著しく減少し、また老齢化してきているため、重労働である水稲の防除作業を実施する際、農家はパイプダスターからラジコンヘリにその手段を変えようとしている。 この普及を促進する立場から、ラジコンヘリのメーカー、ヘリ販売・散布業者、防除組合と利用農家、農業試験所などから、利用の実態と技術的経済的課題を聞きとり調査した。そして、山口県下関市と佐賀県鹿島市において、ラジコンヘリによる水稲病虫害防除の実施手順、作業方法、能率と精度、防除効果、経費などについて調査・検討した。 今年度の調査研究で明らかになった点は、およそ次のとおりである。 (1)ラジコンヘリによる水稲防除の作業能率は、薬剤の詰め替え作業や誘導支援作業を含めても極めて高く、従来の水稲栽培様式の下でも作業精度と防除効果はパイプダスターに比べてそれほど劣らない。 (2)技術的には薬剤の積載量と散布対象圃場の広さの関係を明らかにし、またヘリの操縦性を改善することが主な課題である。 (3)防除期間と散布時期が極めて狭く限定されているため、利用経費が割高となるので、水稲の播種や施肥作業のほか、麦や大豆作にも適用の範囲を拡大することが防除組織運営上の課題である。 (4)ラジコンヘリの普及を阻害しているのは、傾斜の強い水田条件と飛行障害物の存在、小区画圃場の分散交錯制、ヘリ操縦者の不足と高額訓練費、導入資金の調達と経費負担の困難性などである。
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