1993 Fiscal Year Annual Research Report
ウシ黄体のオキシトシンレセプター調節機構に関する研究
Project/Area Number |
05806039
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
奥田 潔 岡山大学, 農学部, 助教授 (40177168)
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Keywords | ウシ / 黄体 / 細胞培養 / オキシトシン / レセプター / プロスタグランディン / プロジェステロン / プロテインキナーゼC |
Research Abstract |
本年は、プロスタグランディンF_2α(PGF_2α)、プロスタグランディンE_2(PGE_2)、プロスタグランディンI_2(PGI_2)およびエストラジオール17β(E_2)のオキシトシン(OT)レセプター調節機構への関与について研究実施計画に従って検討した。その結果、1.無添加区(対照)と比較して、PGF_2αを添加した区では、OTレセプター量は添加したPGF_2α濃度に依存して増加した(P<0.001)。一方、無添加区(対照)と比較してPGE_2、PGI_2あるいはE_2を添加した区では、OTレセプター量に有意な増減は認められなかった。また、PGF_2αのみ添加した区と、PGF_2αにPGE_2、PGI_2またはE_2を組み合わせて添加した区との間に有意な差は認められなかった。2.インドメサシンを添加した区では、培養液中のPGF_2α濃度は、エタノール添加区(対照)と比較して有意に低く(P<0.001)、OTレセプター量も有意に減少した(P<0.01)。これに対してアラキドン酸添加区では、培養液中のPGF_2α濃度およびOTレセプター量は、いずれも有意に増加した(P<0.001)。また、プロテインキナーゼC不活化細胞では、PGF_2αによるOTレセプター量の増加作用は認められなかった。 以上の結果から、黄体で合成分泌されるPGF_2αは、パラクラインまたはオートクライン機構により黄体のOTレセプター量を増加させること、さらに、このPGF_2αの作用は、プロテインキナーゼCの活性化を介して発現することが明らかになった。 さらに、明年度の予備実験として、ヒトOTレセプターのcDNA(Nature,1992)より、ラジオアイソトープで標識した種々のプローブを作成し、ウシ黄体のOTレセプターmRNAの検出に最も適切なプローブについて検討している。
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