1993 Fiscal Year Annual Research Report
H.pylori細胞傷害毒素の精製、性状解析と胃十二指腸疾患発症に関する研究
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05807022
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
神谷 茂 東海大学, 医学部, 助教授 (10177587)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白井 孝之 東海大学, 医学部, 助手 (70196591)
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Keywords | Helicobacter pylori / 細胞傷害性毒素 / 慢性胃炎 / 消化性潰瘍 / ウレアーゼ |
Research Abstract |
東海大学病院内視鏡センター受信患者の胃生検材料を用い、Helicobacter pylori分離率およびウレアーゼテスト陽性率を比較検討した。本菌の分離率は十二指腸潰瘍、胃潰瘍、萎縮性胃炎患者では各々85、83、75%と高率を示したが、粘膜下腫瘍、表層性胃炎患者では33、25%と低率であった。この結果は従来の報告と同様、本菌感染と胃炎および消化性潰瘍発症との関連性を示している。ウレアーゼテストは十二指腸潰瘍、胃潰瘍患者では70、61%の陽性率を示し、菌の分離率を類似した傾向を示した。ウレアーゼテストの分離培養法に対する陽性予知率は91%と高く、本テストは本菌のスクリーニングに有用な迅速診断法であることが確認された。また1生検材料あたり5×10^3-1×10^4cfu以上の本菌が存在することによりウレアーゼテストが陽性となることが初めて明らかにされた。 H.pylori標準株(NCTC11638株)および東海大学で分離された菌株(TK株)計33菌株の細胞傷害毒素(CT)産生性を検討した。ウサギ腎(RK-13)、ヒト羊膜上皮(FL)、サル腎(Vero)、ハムスター腎(BHK-21)、ヒト子宮癌(HeLa)細胞を指示細胞とした場合のCT検出率は各々73、61、27、27、21%であり、CT検出細胞としてRK-13細胞が優れていることが明らかにされた。CTは分子量2万の限外濾過膜を通過しないこと、70℃10分加熱又はプロテアーゼ処理により失活すること等より、本毒素は分子量2万以上の70℃で易熱性の蛋白であることがわかった。培養濾液を50%硫安塩析後フェニールスーパーロース疎水結合カラム、モノQ陰イオン交換カラムにより分離されたCT陽性画分には86、56、42、30kDaの4種の蛋白が検出され、今後CTの高度精製が必要とされる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] S.Kamiya: "Evaluation of rapid urease test for detection of Helicobacter pylori in gastric biopsy specimens" European Journal of Epidemiology. 9. 450-452 (1993)
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[Publications] S.Kamiya: "Characteristics of vacuolating toxin produced by Helicobacter pylori" European Journal of Gastroenterology and Hepatology. (in press). (1994)
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[Publications] 神谷茂: "Helicobacter pyloriの生物学的特性" 医学のあゆみ. (印刷中). (1994)
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[Publications] 高木敦司: "PCR法を用いたHelicobacter pylori感染診断に関する臨床的検討" 日本消化器病学会誌. (印刷中). (1994)
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[Publications] S.Kamiya: "Analysis of intestinal flora of a patient with congenital absence of the portal vein" FEMS Immunology and Medical Microbiology. 7. 73-80 (1993)
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[Publications] 白井孝之: "Helicobacter pyloriによる胃十二指腸粘膜障害の臨床的意義" トプコ印刷, 128 (1993)