1993 Fiscal Year Annual Research Report
HIV特異的細胞障害性T細胞および抗CD4自己抗体の誘導による新たなエイズ治療法
Project/Area Number |
05807051
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
渡辺 守 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (10175127)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日比 紀文 慶應義塾大学, がんセンター, 助教授 (50129623)
相磯 貞和 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (60138013)
|
Keywords | エイズ / HIV / 腸管上皮間リンパ球 / 細胞障害性T細胞 |
Research Abstract |
HIVと腸管上皮間リンパ球(IEL)とのinteractionを明らかとする事はAIDS患者におけるenteropathyの病因を追究するのみならず、HIVに対する生体の免疫防御機構およびAIDS進展による防御機構の破壊を検討するうえで重要であると考えられる。今回の研究ではAIDS患者の病変部腸管粘膜より分離した局所のT細胞IELからHIVの構成蛋白gagおよびenvに対するcytotoxic T細胞(CTL)クローンを樹立し,phenotypeおよびfunctionを明らかとすることにより、HIV specific CTLを誘導する新しい治療法の開発を目的とした。平成5年度の研究ではまず準備段階として、健常部および炎症性腸疾患患者の病変部より分離した局所のIELからT細胞株およびT細胞クローンの樹立を試み,IL‐2,IL‐4、抗CD3抗体、allogeneic PBLの刺激により、ヒトIEL由来T細胞株を得た。各株のcharacterizationにより、炎症局所においてはCD3+CD4+TcRVbeta5.2/5.3+というIEL細胞群が選択的に増加し、TcRを介したcytotoxic activityとinterferon‐gammaの産生増加が認められた。しかもこの細胞群は腸内細菌由来superantigenであるstaphylococcal enterotoxinにより増殖が認められ、腸管内抗原刺激に対応するIELの重要性を明らかとした。次に、Norman Letvin(Harvard Medical School)のラボと協力して,AIDS患者病変部大腸粘膜よりHIVの構成蛋白に対するcytotoxic T細胞(CTL)クローンを樹立を試みた。bulk cultureではIEL中にCTL活性を認めたが、クローン化の途中で活性の消失が認められた。これは、クローン化を非特異的刺激により行ったためと考えられ、現在、HIVの構成蛋白peptideによる持続的刺激およびIL‐12の併用により、再クローン化を行っている。
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] Letvin NL: "Active immune therapy for the treatment of HIV infections" AIDS Res Hum Retroviruses.8. 1499-1500 (1993)
-
[Publications] 渡辺守: "rsCD4とHIV感染治療" Medical Immunology. 26. 113-122 (1993)
-
[Publications] 渡辺守: "AIDS-AIDSの病態-" 神経内科. 39. 6-11 (1993)
-
[Publications] 渡辺守: "免疫不全と消化管" G.I.Research. 1. 831-837 (1993)
-
[Publications] 渡辺守: "抗CD4自己抗体誘導によるHIV感染阻止" 臨床免疫. 26. 213-221 (1994)
-
[Publications] 渡辺守: "ヒト炎症性腸疾患における腸管上皮細胞間リンパ球の免疫機構" Medical Immunology. 27. 153-157 (1994)
-
[Publications] Watanabe M: "Current topics in mucosal immunology 1993" Tsuchiya M,Yodoi J.Hibi T,Miura S, 465 (1994)