1993 Fiscal Year Annual Research Report
インスリン依存性糖尿病の病因に関する、免疫学的・分子生物学的検討
Project/Area Number |
05807065
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Research Institution | Kochi Medical School |
Principal Investigator |
友田 隆士 高知医科大学, 医学部・小児科, 助手 (20207632)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉繁 隆信 高知医科大学, 医学部・小児科, 教授 (50117032)
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Keywords | IDDM / IL-2 system / IL-4 / T heper land 2 |
Research Abstract |
インスリン依存性糖尿病(以下IDDM)の病因に関しては今尚、不明な点も多い。しかし、その発症に免疫学的機序が関与することは広く認められるに到っている。その理由としては、発症直後のIDDM患者のランゲルハンス島B細胞は高率にHLA-DR抗原を表出し、CD4抗原陽性のリンパ球が広範に浸潤することや、抗ランゲルハンス島細胞抗体をはじめとする種々の自己抗体が検出されることがある。我々は、IDDMにおける免疫異常の中、ランゲルハンス島を直接攻撃するCD4抗原陽性のリンパ球に注目し、その主要な機能の1つであるインターロイキン2(以下IL-2)産生能を中心に、IL-2システムについて検討した。IL-2システムには、IL-2産生、IL-2レセプター表出、IL-2に対する反応性が含まれるが、その中IDDMではIL-2産生能が著明に減弱しており、他のレセプター表出、IL-2に対する反応は正常コントロールと差がなかった。また、IDDMの末梢血リンパ球で、CD4陽性でCD25あるいはHLA-DR陽性の活性化T細胞が増加していた。近年CD4陽性T細胞は、IL-2、IFN-gammaを産生するTh1とIL-4、IL-5を産生するTh2のサブセットに分類できることが明らかになってきた。そこで、IDDMのT細胞のIL-4産生能を検討したところ、コントロールと比較して増加しており、このIL-4は、IL-2産生には影響を与えなかった。IDDMにおいては、IL-2産生が選択的に減少しており、特に発症間もないIDDMで顕著であった。IDDM、特に新発症のIDDMの末梢血中には無刺激でIL-2レセプター陽性のT細胞が増加しており、IL-2の補給の必要性を意味していることが示唆された。
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Research Products
(1 results)