1994 Fiscal Year Annual Research Report
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05807081
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
中村 敬 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (40198205)
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Keywords | 対人恐怖症 / 社会恐怖 / 恐怖症 / 対人不安 / 比較文化精神医学 / 回避性人格障害 / 不安障害 / 神経質 |
Research Abstract |
今年度は、以下の項目に沿って研究を実施した。 1.本研究で使用する下記の英文質問紙の和訳を完了した。 (1)SCL-90-R症状質問紙,(2)Fear of Negative EvaluationScale, (3)Social Avoidance and Distress Scale,(4)Sheehan's Disability Scale 2.対人恐怖症に関する我が国の主だった研究者(研究代表者を含む)が研究会を重ね、対人恐怖症の診断基準案を作成した。さらに同じメンバーにより(5)対人恐怖症状および症状賦活状況についての質問紙が作られ、これらの診断基準および質問紙の英訳を終えた。 3.カナダ側共同研究者のSolyom,L.が社会恐怖と診断したカナダ人10症例について、上記(1)-(5)の質問紙調査を実施した。結果の解析は終了していないが、全症例に複数の対人恐怖症状が認められており、カナダ人社会恐怖症例とわが国の対人恐怖症とのオーバーラップが示唆される。 4.日本側症例については、森田療法を希望して慈恵医大第三病院精神科外来を受診した患者全例に対して、。DSM-III-R構造化面接法に基づく対面調査を開始した。この方法に基づき社会恐怖と診断される全ての症例に上記(1)-(5)の質問紙調査を実施する予定である。 5.今後、日本およびカナダ人社会恐怖症各20-30例について上記の方法で調査し、結果を統計的に比較検討する。また日加それぞれの群に対人恐怖症診断基準に基づく診断操作を実施し、社会恐怖と対人恐怖症が診断概念としてどの程度合致するか判定する。
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