1994 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の自殺の予測と予防に関する臨床精神医学的研究
Project/Area Number |
05807083
|
Research Institution | Tokyo Institute of Psychiatry |
Principal Investigator |
高橋 祥友 (財)東京都精神医学総合研究所, 精神病理研究部門, 副参事 (30163299)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平沢 秀人 東京都老人医療センター, 精神科, 医長 (50167607)
宇野 昌人 財団法人東京都精神医学総合研究所, 精神病理研究部門, 非常勤研究員 (20090392)
石川 義博 財団法人東京都精神医学総合研究所, 精神病理研究部門, 副所長 (30090393)
|
Keywords | 高齢者 / 精神保健 / 自殺 / 自殺企図 / 危険因子 |
Research Abstract |
最近、わが国の自殺率は全体として漸減傾向にあるが、高齢者はいまだに諸外国と比べて高い自殺率を示している。わが国では近い将来さらに高齢化した社会を迎えることが予測されており、高齢者の精神保健はきわめて重要な課題となっている。 研究の初年度にあたる平成5年度には、東京都老人医療センターに入院歴のある全患者の病歴を再検討した。その中で、自殺企図が直接の契機となって入院となった患者の社会心理的特徴を抽出した。その結果、他の年齢層において指摘されている種々の危険因子以外にも老年期に特徴的な問題点も明らかになった。それらの因子としては、(1)非定型的なうつ病像(身体化症状など)、(2)軽度のせん妄、(3)軽度の痴呆、(4)社会的援助の破綻、(5)老年期に独特な衝動性、(6)自殺行動に及ぶ前にプライマリケア医への受診などである。 初年度の結果に基づき構造化面接法を作り上げた。研究2年目の平成6年度は同病院の新入院患者について自殺の危険を評価し、定期的にフォローアップを実施してきた。初年度のレトロスペクティブな調査から得られた結果がプロスペクティブな調査においても、どの程度該当するのか、また、有効な治療法の検討も並行して実施してきた。さらに、精神医学以外を専門とするプライマリケア医を対象とした、老年期の精神保健に関する教育マニュアルの策定も検討している。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Takahashi,Y.,et al.: "Suicide and aging in Japan" International Psychogeriatrics. (in press).
-
[Publications] Takahashi,Y.: "An integrated model for suicide prevention" Social Dimention. 1. 41-45 (1994)
-
[Publications] 高橋祥友: "うつ病の日本的特性、自殺傾向" 臨床精神医学. 23. 55-63 (1994)
-
[Publications] 高橋祥友: "老年期の自殺" 心身医学. 34. 49-54 (1994)
-
[Publications] 高橋祥友: "老人の自殺" 老化と疾患. 6. 101-103 (1993)
-
[Publications] 高橋祥友: "高齢化社会と自殺" 精神医学. 35. 385-389 (1993)