1995 Fiscal Year Annual Research Report
慢性膵炎・膵石症の病体解明への新しいアプローチ:細胞接着因子の研究
Project/Area Number |
05807111
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
武田 和憲 東北大学, 医学部, 講師 (20171639)
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Keywords | 膵石症 / 慢性膵炎 / 細胞接着因子 / 膵石有機基質 |
Research Abstract |
膵石を伴う慢性膵炎患者の手術時に採取した膵石を用いて、Karnovsky's solutionに低温保存し、強酸を用いて膵石の短時間脱灰、およびEDTAによる緩徐脱灰の両者により膵石の有機基質を得、これらを走査電子顕微鏡にて観察、また、組織染色、組織免疫染色を行った。 脱灰後の膵石の有機基質の走査電子顕微鏡による観察では、強酸による短時間脱灰後の有機基質はきわめて微細な網状構造が複雑に交錯し、予想どおりの密な構造を示した。しかし、EDTAによる緩徐脱灰ではかなり粗な構造を示し、これは光顕レベルでの観察結果と対応した。つまり、EDTAを主とした緩徐脱灰では物理的な振とうにより従来の構造が破壊される可能性が示唆された。一方、強酸を用いた短時間脱灰では化学的変成が問題となるが、走査電顕による観察では、膵石表面に付着した膵管上皮細胞の構造はよく保たれ、免疫染色でも各抗原性がよく保たれていた。脱灰後の膵石有機基質の抗フィブロネクチン、抗ラミニン、抗コラーゲンIV、抗ラクトフェリン、抗reg, PSPの各抗体を用いた免疫染色では、各成分とも膵石有機基質中に染色され、それぞれの分布様式のある傾向も認められた。これらの染色性も強酸による脱灰群で良好な染色性を示した。
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