1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05807116
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
小澤 壮治 慶應義塾大学, 医学部・外科, 助手 (10169287)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 基人 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (60217685)
佐藤 道夫 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (50215852)
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Keywords | 食道癌 / 放射線耐性 / raf癌遺伝子 |
Research Abstract |
A.扁平上皮癌細胞株における検討: 食道癌および外陰癌由来の扁平上皮癌(TEL,2,5,8,9,A431)6株からAGPC法によりtotal RNAを抽出し、32Pでラベルしたc‐raf‐1をプローブとして、northern blotを行った。コントロールとしてbetaactinを用いた。オートラディオグラムの放射活性はバイオイメージアナライザーで測定し、raf発現量を定量した。また、それぞれの細胞株からDNAを抽出し、craf‐1をプローブとしてsouthern blotを行い、遺伝子増幅の程度を上記の方法で検討した。 放射線感受性は、0〜8Gyの線量を用いたcolony assayで平均致死線量(D_0)を求めた。 raf mRNA発現量と平均致死線量との間には測定し得た細胞株において相関した(相関計数r=0.88)。しかしraf遺伝子増幅は認められず、mRNA発現量の差が平均致死線量に影響を与えたと考えられた。すなわち、扁平上皮癌細胞株においてraf発現量が放射線耐性に関連することが示唆された。 B.臨床材料における検討: 2例の進行食道癌患者から内視鏡下生検で得られた腫瘍組織とからtotal RNAを抽出してraf発現量を測定した。30Gy照射にて全く縮小効果を認めなかった症例でraf発現量が高く、40Gy照射で64%の縮小効果を認めた症例ではraf発現量が低かった。 従って今後臨床において放射線耐性をraf癌遺伝子発現からある程度予測しえると考えられた。
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